土曜日はダブルヘッダー…メッツマッハー、NJP
新日本フィルハーモニー交響楽団 第484回定期演奏会(サントリーホール)
ベートーヴェン/序曲「レオノーレ」第3番
アイヴズ/ニューイングランドの3つの場所(オーケストラル・セット第1番)
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番
指揮:インゴ・メッツマッハー
(コンサートマスター:豊嶋泰嗣)
週末のコンサートは行けなくなりやすいから、と土曜のトリフォニーシリーズからサントリーに鞍替えしたところなのに、今季のNJPサントリー定期は早速土曜日の昼間(笑)
うっかり横須賀線に乗って錦糸町に向かいたくなる。
しかも今日は昼・夜二本立てなのだが、まずは昼間の話。
ドイツの俊英メッツマッハー、NJP初客演後1年ではやくも再登場。
このことは、NJPとしても周到な準備の上でこの人を招聘している、ということを表している。
指揮者という職種は2~3年先までスケジュールが決まっているものなので、初客演のオーケストラで、来てみたら評判が良かったのでではもう一度、という呼び方だったら、次の登場は2~3年後以降になってしまうのが普通だからだ。
首席なんとか指揮者とか、そういう称号は特に無いけれど、そういう存在に近い指揮者として最初から遇している、ということだ。
メッツマッハーというと現代音楽のスペシャリスト、というイメージだけど、最初の「レオノーレ」では、ああ、この人やっぱり「ドイツの」指揮者だな、と実感した。
弦の奥行きとか、管セクションの統合された響きとか、NJPの音がドイツのオケみたいに変貌していた。
アイヴズでは一転して、メッツマッハーの本領発揮。
いかにもアイヴズらしい、冗談音楽のような脈絡のない音を積み重ねた混沌の中から、1本のメインメロディを鮮やかに浮かび上がらせるバランス感覚に、驚嘆。
アイヴズの2楽章が、むかし演奏したことのある「カントリー・バンド・マーチ」(吹奏楽曲)と全く同じ始まり方だったのが、興味深かった。
メインのショスタコ5番は、やり方としてはどちらかというと普通の演奏に近かったと思う。
初客演のマーラーの6番の時にも、そんなふうに感じた記憶がある。
それでも、このサウンドの安定感と集中力には、この人タダモノじゃない、と思わせる何かが確かにあった。
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