トルヴェール・クヮルテット、だったが…
リュエフ/サクソフォン四重奏によるコンセール
本多俊之*/ The 7th Wonder
リスト(田中靖人編)*/ハンガリー狂詩曲第2番
長生淳*/ Tipsy Tune(初演)
宮川彬良(原曲A.ロイド・ウェバー)*/私の愛したロイド・ウェバー
佐橋俊彦*/ With You(初演)
Pf:小柳美奈子*
出発の地(トルヴェール・クヮルテット第1回リサイタル、1989年1月14日、東京文化会館・小ホール)に還ってきたトルヴェールを、聴いた。
超満員のお客さんと、笑いの絶えない時間の流れ、超絶的で自在なテクニックと音楽の相貌。
久々に聴くトルヴェールは、拍子抜けするくらいにいつものトルヴェールだった。
地方から駆けつけた方々も含め、たくさんの友人知己にお会いする。
サックス吹きの方ばかりでもないところも、トルヴェールならでは。
演奏はともかくとして、照明の趣味の悪さにはワタシゃ正直、キレそうになった。
あんな安っぽいテレビ番組みたいなうるさい(曲中でパカパカ変わる)センスの悪い照明は、音楽のイマジネーションを狭めるだけだということが分からないのだろうか。
誰がこんな照明を付けようと言い出したのか。
また今日は、演奏の間じゅう空調の音みたいな暗騒音がホール内にずーーっと聞こえていて、静寂というものが全くなく、音楽への集中を著しく殺いだ。
この東京文化会館小ホールであんな音が聞こえたことは、私はここにはおそらく百回は下らないくらい来ているけれど、記憶にある限り一度もない。
とても「音楽」に集中出来る、私のとても好きな会場だったんだが。
もしも、照明機材を入れたせいで空調が切れなかった、などという理由だったとしたら、本末転倒も甚だしいというものだ。
「そういうこと」がしたいのだったら、何のために東京文化会館などという会場でやるのか。
大きめのライブハウスとかでやればいいではないか。そうすればこっちだってそれなりの心構えで臨むし、あんなチープな代物でなく、もっと本格的な舞台機材も準備できるだろうに。
音楽というものの無限のイマジネーションの広がりを、小さなテレビの画面に嵌め込む程度にしか捉えられない感性の持ち主が今日の舞台を仕切っていたことは、そこで繰り広げられた演奏の素晴らしさは別として、とても残念なことだった。
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コメント
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初めてコメントをさせていただきます。照明、、、おっしゃる様に私も感じました。切り替わるその瞬間、別のことを感じました「なんだ?この照明?げーっ」って感じです。しばらく、目を閉じて鑑賞してました。
投稿: yumia | 2011.09.17 07:29
コメント有難うございます。
物議を醸しそうな内容で書くべきかどうか迷ったのですが、私自身の正直な感想ですので、敢えてはっきりと書かせていただきました。
私にとっては「音楽」こそがなによりも大事だし尊重しているものなので、音楽に集中し聴き取ることを邪魔するものは許せないのです。ただそれだけです。
投稿: Thunder | 2011.09.19 00:04