魔法の時間~ギルバート&都響
真昼のK高を後にし、サントリーホールへ向かう。
都響スペシャル(東京都交響楽団特別演奏会) (サントリーホール)
ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲
ベルク/ヴァイオリン協奏曲(Vn:フランク=ペーター・ツィンマーマン)
ブラームス/交響曲第1番
指揮:アラン・ギルバート
(コンサートマスター:矢部達哉)
様々な意味で(公的な意味でも、個人的にも)、歴史と記憶に残る演奏会だったと思う。
今日の演奏が何だったか、何をもたらしたか、ということが、もしかしたら今後何年もかけて明らかになっていくかもしれないくらいに。
音色の深さと自然さが素晴らしかった。
ホールの舞台面を何メートルも掘り下げた奥から響いてくるような立体感。
ベルクのヴァイオリン協奏曲ってこんなに美しい曲だったんだ。
パウル・クレーの絵のような、奥深く抽象的な、確固としたありようの美。
今までに聴いてきたこの曲はいったい何だったんだろうか?
(サックスがA井さんだ!!)
ソリストはもはや描写不能の巧さ。アンコールのバッハ無伴奏は、会場(お客さん、オケのメンバー含)を全て別世界に連れて行くかのようだった。
ブラームスは細かな記憶がほとんどない。
あまりにもしなやかで、あまりにも自然で。
何百回も(おそらく)聴いている都響から聞こえてくる、誰の指揮でも一度も聴いたことのない、白銀色のオーケストラの音色。
都響のある現役楽員さんのブログに、今回のギルバートの初回のリハーサルが終わった時点で、「都響には大きな可能性がある」、と興奮気味に書かれていたのを見た。
その「大きな可能性」を、まさに実感した、魔法のような時間だった。
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インバルの指揮ではある意味、想定内のインバル節を聞かせてくれる。フルシャの指揮では整った音色で今の都響の実力を聴かせてくれたような気がした。
ギルバートの指揮ではよいには良いのだが、まだ、良くなるであろう可能性の残る音を響かせていた。あの伸びやかな音の先に、一音が響いただけで鳥肌が立つ世界のスーパーオーケストラの可能性があるように感じて、その道が見えたような気がした。彼らはそこを目指しているんだろうなあ。
投稿: PIYO | 2011.07.27 08:51
コメント有難うございました。
可能性。
まさにその3文字ですね。
人は、おのれが自分でも思いもよらないような多くの思慮と分別を持ち合わせていることに自ら気付いて進化してゆく、と言ったのはアンリ・ベルクソンですが、そういうことなのだろうと思います。
アランはそういうものを持ってきてくれた。
素晴らしい。
いつか定期で聴いてみたいですね。
投稿: Thunder | 2011.07.29 01:22