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2011.06.29

千年前の、そして明日の音楽

Music Tomorrow 2011N響Music Tomorrow 2011(東京オペラシティ・コンサートホール)

尾高尚忠/フルート小協奏曲(Fl:神田寛明)
H.デュティユー/コレスポンダンス(Sp:バーバラ・ハンニガン)※日本初演
西村朗/オーケストラのための「蘇莫者」(舞楽:天王寺楽所 雅亮会)※第59回「尾高賞」受賞作品
 NHK交響楽団
 指揮:パブロ・ヘラス・カサド

N響の毎年恒例「尾高賞」披露特別演奏会、ミュージック・トゥモロウ2011を聴く。
今年のミュージック・トゥモロウは、珍しくも(笑)たいへん面白かった。

前半は、普通に定期演奏会とかでもありそうなプログラムだ。
今年生誕100年の尾高尚忠の代表作に、フランスの大御所デュティユー(1916-)の日本初演。
前者はきわめて普通に「クラシック」な響きだし、デュティユー(ボードレールの詩「万物照応」からとられたタイトル)の近作も、交響曲の1番や『音色・空間・運動』の頃のような抒情性がふたたび戻ってきていたように感じた。
後者のソプラノ歌手は、この作品をもう20回以上歌っているエキスパートとのことだが、なぜか言葉(歌詞)はほとんど聞きとれなかった。

なんといっても問題作は、後半の尾高賞受賞作、西村朗氏の「蘇莫者」でしょう。
「蘇莫者」は上方の雅楽集団である天王寺楽所(がくそ)に千年前から伝わる舞楽で、聖徳太子の御霊を祀る舞だそうだ。
ステージの真ん中に、5~6メートル四方の鮮やかな緑の毛氈を敷きつめた「舞台」(その名の通り)を設営し、オーケストラはそれを三方から取り囲む。
曲の進行につれて、衣裳と面をつけた3人の舞人がステージ袖から順々に現れ、「舞台」の上で舞う。
プレトークで西村さん本人が言っていたとおり、千年前と、今日と、明日の音楽の出会い、ということだが、聞こえてくる音は例えば山田耕筰の「鶴亀」のような西洋音楽ぽいものでは全くなく、まあ、いつも通りのキラキラドロドロの西村さんの音なんだけれど、舞のほうに注意を払いながら聴いていると違和感はほとんどないほどだ。
というか、西村朗という人の音楽的発想のルーツはこれだったのか、ということが実地に納得できて、興味深いことこのうえない。
45分という、この類の音楽としては異例な演奏時間も、特に長いとは思わなかった。
指揮者は1977年生まれのスペイン人だそうだが(2009年の「グルッペン」を振ってましたね)、テンポ的にも雅楽の雰囲気的にも何ら違和感のない嵌まり様で、いったい何者じゃコイツ、という感じ。
オーケストラはさすが、素晴らしかった。フルートのトップが(先日聴いたアシュケナージ定期に続いて)高木綾子さんで、随所で気合い一閃の吹きっぷりを見せていた。
終演後は、この手の演奏会としてはありえないようなブラヴォーの嵐。

しかしどうしてN響はこんな面白い演奏会を定期公演でやらないのかな。
そんなに定期会員の爺さん達が怖いのか。
まあ、今年が「特別に」面白かった、ということなのかもしれないが。

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