覚書・サントリーホール3連戦
今週は3日続けてサントリーホールに通った。
いつものような調子でレポートしている時間がないので、覚書として記す。
15日・都響第718回定期
指揮:ジョセフ・ウォルフ
ブラームス/ピアノ協奏曲第2番(若林顕)、ウィリアム・オルウィン/秋の伝説~イングリッシュホルン独奏と弦楽オーケストラのための(南方総子)、シベリウス/交響曲第7番
先日のプロムナードコンサートでのデビューでたいへん好印象を残したジョセフ・ウォルフ再び。
シベリウス良かった。神秘的な雰囲気はあんまりないけれど、とても確実でストレート。小泉さんがこの曲を演ったらこういう感じになるんじゃないかな。
オルウィンは20世紀英国のある種典型的な保守派の作曲家で、珍しくもイングリッシュホルン(コーラングレ)独奏による、ロセッティの詩に基づくメランコリックな小品。ソロは楽員の南方さん。
あんまりソロ慣れしていない雰囲気で、舞台上のしぐさが初々しくて良かった(笑)。
16日・読売日響第539回名曲シリーズ
指揮:パオロ・カリニャーニ
モーツァルト/交響曲第39番、レクイエム
新国立劇場の出番はキャンセルしたカリニャーニだが、読響には無事登場(ソリストは当初発表から数人代わったが)。
この人は読響には欠かせないかただと個人的には思うので、結果的には良かったけれど、出たり出なかったりというのがどういう判断に基づいてのことなのかいまいちよく分からない。
2曲とも弦はヴィブラート無し、管は音価短めでアタックをはっきりつけた、かなりに本格的なピリオド・アプローチだった。透明で求心的な響きが非常にそれらしくて印象的。
ソロも合唱(新国立劇場合唱団)も好演。私が一番印象に印象に残ったのはレクイエムのTuba mirumでのテナートロンボーンのソロ。古賀さんかな?
17日・日本フィル第631回定期
指揮:沼尻竜典
ストラヴィンスキー/花火、チャイコフスキー/ピアノと管弦楽のための幻想曲(小川典子)、ショスタコーヴィチ/交響曲第10番
日フィル、4月のインキネンに続き、今月出番の首席指揮者ラザレフもキャンセル。
こちらは原発問題とは関係ない体調上の理由だそうで、ご本人からのメッセージに無念さがにじみ出ている。
今月は本来だったら2年半にわたって続いたプロコフィエフ交響曲全曲シリーズの最終回だったのだが、ラザレフさんが来ないということで曲目も大幅変更となった(プログラムは刷り直されていた)。残念。
沼尻さんは代役としてはこれ以上ないような素晴らしい仕事をされたとは思うが、なにかこの人の演奏って印象が後に残らないんだよねえ。棒が上手すぎるからかなあ。
小川典子さんはとにかく音がでかかった(笑)。1楽章の長ーいカデンツァなんか、音がどんどんどんどん膨れ上がって怖いほどだった。
この滅多に弾かれない曲を暗譜だったのはさすが。
« ケネス・チェ氏、来日 | トップページ | 恐るべし、ハーディングNJP »
「コンサート(2011年)」カテゴリの記事
- 第九(2011.12.26)
- ショスタコ祭りその2…インバル都響B定期(2011.12.21)
- 鶴見にて、サロンコンサート(2011.12.18)
- ショスタコ祭りその1…インバル都響A定期(2011.12.12)
- 20世紀フランスの「粋」…ヴァレーズ、紀尾井(2011.12.10)
コメント