サクソフォンがいっぱい
Life-Work Project [東日本大震災支援チャリティコンサート・シリーズ] Vol.01~サクソフォン・ファミリー大集合!(石森管楽器イベントスペース)
ヴィラ=ロボス/ファンタジア【テナー】
シュワルツ/ポピュラー(ミュージカル「Wicked」より)【ソプラノ】
グラナドス/間奏曲(「ゴイェスカス」より)【バリトン】
モーリス/プロヴァンスの風景【アルト】
プーランク/トリオ【ソプラノ、テナー】
グノー/アヴェマリア【ソプラニーノ】
サン=サーンス/象(「動物の謝肉祭」より)【バス】
ウィードフト/sax-o-phun【Cメロディ】
プロイアー/口笛吹きと犬【ソプリロ、バス】
Sax:各川芽(ソプリロ、ソプラニーノ、ソプラノ、アルト)・宮崎真一(Cメロディ、テナー、バリトン、バス)、Pf:小埜寺美樹
雨の中久しぶりに石森管楽器を訪れ、こんなコンサートを聴く。
日本のプロ奏者の中でも最大級のサクソフォンマニアとしてつとに知られる宮崎さんと、奥様で高音サクソフォンのスペシャリスト各川さんが主宰する、Life-Work Projectと題する震災復興支援チャリティコンサート・シリーズの、第1回。
「僕にとって復興支援とは家にあるサクソフォンを全部持ってくること」、と豪語する宮崎さんの言葉どおり(実際はもっとあるそうだが)、ソプリロからバスまで8種類のサクソフォンを駆使してのたいへん楽しいコンサートとなった。
上記【】内が使用したサクソフォン。
実際に並んだのはこんな感じ。
なにしろ狭いイヴェントスペースなので、ここまで近付いて写真が撮れるのである。
手前から奥へ、バス、バリトン、テナー、Cメロディ・サックス、アルト、ソプラノ、ソプラニーノ、ソプリロ。
ソプラノはビュッフェ・クランポンのプレスティージュ、バリトンはセルマー・マーク6のLow-Aキー無しの寸詰まり管、ダークラッカーのテナーはイシモリオリジナルか? そして廃墟臭(笑)を放つ齢80のCメロディ・サックスといった具合に、楽器だけでもマニア的見どころ満載。
曲目も、ヴィラ=ロボス、モーリス、プーランクのトリオといった正統的なレパートリーから、Cメロサックスやバス、ソプリロによる娯楽性たっぷりのアプローチまで、たいへん幅広い。
親密でアットホームなサロン的雰囲気と、各種並んだ楽器に即座に最適化して演奏する高度なアルチザンとしての技と、求道者という意を含む「マニア」というもののありようと、エンターテインメントとしての中身とがすべて渾然一体となった、このおふたりにしか出来ないコンサートだった。
このLife-Work Projectというコンサート、今後も数ヶ月に一度ずつ、趣向を変えて継続開催されるとのこと。
私たち東京の人間にとっては、震災の直接的な記憶はだいぶ薄まってきたけれど、苦しんでいる人が現実に存在する限り、常に思い出し続け、支援し続けなければいけないことだ。
声援を送りたいと思う。
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