現代日本とフランス楽派
東京都交響楽団 第710回定期演奏会(サントリーホール)
プーランク/組曲「牝鹿」
マルク=アンドレ・ダルバヴィ/ヤナーチェクの作品によるオーケストラ変奏曲
権代敦彦/ゼロ~ピアノとオーケストラのための
Pf:向井山朋子
田中カレン/アーバン・プレイヤー~チェロとオーケストラのための(日本初演)
Vc:古川展生
指揮:ヨナタン・シュトックハンマー
(コンサートマスター:矢部達哉)
都響1月の定期は、毎年恒例、別宮貞雄先生プロデュースによる、「日本管弦楽の名曲とその源流」シリーズ。
別宮プロデュースの最終年である今回は、今までのこのシリーズでも何度か見られた、パリ音楽院でミヨーとメシアンに学んだ別宮先生ならではの、日本とフランスの現代音楽を並び立てる視点の、最終形という趣だった。
軽やかでメロディアスな、しかし不協和音のスパイスもかなり含んだプーランクで幕開け。
日本作曲界の保守派の大御所である別宮先生が、ダルバヴィを評価していたというのはなんだか意外な感じもするが、聴いてみると確かに響きのとても綺麗な音楽だった。それにしても掴み所のない音楽に聞こえたというのは、たぶん私の聴き方が間違っているのだろう。
休憩後の権代作品。自ら書かれた作品のプログラムノートの文章の訳の分からなさ(笑)、曲の外見的な激烈さ、やかましさに比して、聴いてみると作曲者の発想をとても辿りやすい音楽だと思った。
私の席(舞台真横、RAブロック)からだと、ちょうどピアノの蓋に隠れてしまい、ソリストが何をやっているのかがほとんど見えなかったのが残念。
最後の田中カレン。映画音楽みたいな楽しさを含んだ音楽で、終演後も盛んな拍手を受けていたが、終わったあとの印象が意外と薄かった気もする。
こういう曲はむしろ、思いっきり普通の(クラシックな)プログラムの演奏会に組み入れちゃったほうが面白いかもしれない、とも思った。
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