まだまだニューイヤー…沼尻&都響
日本赤十字社 第43回献血チャリティ・コンサート(サントリーホール)
R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」
チャイコフスキー/ロココの主題による変奏曲
Vc:遠藤真理
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲
マスネ/タイスの瞑想曲(アンコール)
Vn:前橋汀子
R.シュトラウス/「ばらの騎士」組曲
東京都交響楽団
指揮:沼尻竜典
本年5回めのライブへ。
ソニー音楽芸術振興会の主催で、毎年新年に都響の出演で開催されるチャリティコンサート。
華やかなソリストを迎え、ニューイヤーを銘打って行われる肩の凝らないチャリティコンサートではあるが、定期会員の方(ワタシもだ)もたくさん来場する都響の恒例の演奏会で、実際、オーケストラとしても定期公演に近いような本気の取り組みが伺える。
コンマスは山本さん。チェロのトップは田中・古川両首席の揃い踏み。「ドン・ファン」の素晴らしいオーボエソロは広田さん。
金管はなんと、高橋隊長以下アシスタントに至るまで全員が正団員(エキストラを一人も入れていない)だった。滅多にないことで、都響の追っかけとしてはそれだけで嬉しくなってしまうというものだ。
指揮は久々の沼尻さん。アグレッシヴな指揮ぶり。音量的には控えめながら、スマートで切れ味の良いサウンドはこれが都響というオーケストラのデフォルトだと実感。
遠藤真理さんというと、私にはソプラノサックスの田村(真)さんとメンデルスゾーンのピアノトリオを弾いたチェリスト、という普通じゃないイメージが強烈なのだけれど(笑)、こうして聴くととても正統的に巧いし、すばらしい美音だし、見事なソリストだった。
それでも本日の主役はやはり前橋さんのほうで、まさに「貫祿勝ち」、という言葉がぴったり。
技術的には全盛期は過ぎているとは思うけれど、「音楽」への没入ぶりが半端ではない。アンコールでオーケストラを従えて弾いた「タイス」なんかもう、一人芝居の世界。
自分が歳を重ねてどういう演奏家になっていくべきか、どういう音楽をやっていくか、ということをとても良く分かってらっしゃるかたで、私は感銘を受けた。
最後は「ばらの騎士」(沼尻さんのある意味十八番か)で、華やかに終演。
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