再び、新世界より
読売日本交響楽団 第534回名曲シリーズ(サントリーホール)
スメタナ/交響詩「モルダウ」~「わが祖国」から
グリーグ/ピアノ協奏曲(Pf:河村尚子)
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」
指揮:カルロス・カルマー
(コンサートマスター:藤原浜雄)
今年早くも3つめのライブ。初サントリーホール。
ニューイヤーコンサートの続きみたいなプログラムだけれど、カルロス・カルマーと河村ひさこちゃんは聴いておきたかった。
カルマーの指揮は5年くらい前にたまたま読響で聴いて、シノーポリみたいな神経質そうな風貌とはまるでイメージの違う、おおらかで暖かく「綺麗な」音楽にとても感心した記憶がある。
その演奏会の後、この人がかのジェイムズ・デプリーストの後を継いでオレゴン交響楽団を率いていることを知り、深く納得したのだった。
で、今日はやはり、河村さんのグリーグがとても良かった。
すごく繊細でよく歌う、魅力的なピアノだ。
こんなに、ミスタッチが気にならない(他の魅力が大きすぎて、そんなことはどうでもいい、という気分になる)器楽演奏家というのは、はじめて見た気がする。
顔は写真ではきつそうな雰囲気だけれど、実際はもっとずっとかわいらしい。遠目には成海璃子みたい。
ソロが休みの、オーケストラだけの間奏部分で、オケがいい音を出すととても嬉しそうな顔をされるのが印象的だ。
そう、オーケストラもとても瑞々しい、素敵な音でバックを付けてくる。
「新世界より」は、いろいろとこと細かな仕掛けを付けようとしていたように聞こえた。
ただ、それが必ずしもすべては成功していなかったとも思えた。
先日聴いたばかりのこの曲の、大友さんの目先の変わったことの何もないオーソドックスな演奏が、実は結構レベルの高いものだったことを、改めて思い知った。
この曲、なんだかんだ言っても難しい曲だなあと実感する。
年末の「第九」のような、新年の定番に近年なりつつあるけれど、あまり安易にやるべきものではないと思った。
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