奇才カンブルラン先生
読売日本交響楽団 第498回定期演奏会(サントリーホール)
ドビュッシー(コンスタン編)/「ペレアスとメリザンド」交響曲
コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲(Vn:ヴィヴィアン・ハーグナー)
マーラー(ブリテン編)/野の花々が私に語ること(交響曲第3番第2楽章)
シューマン/交響曲第4番(第一稿)
指揮:シルヴァン・カンブルラン
(コンサートマスター:藤原浜雄)
日付は前後するけれど、29日(月)の読響。
このプログラム、凄いと思う。
前半はドビュッシーのオペラの光と影の世界を単一楽章25分に圧縮したマリウス・コンスタンの才気にみちた編曲に、アルフレッド・リードがヴァイオリン協奏曲を書いたらこんな音がするんじゃないか、と思うようなゴージャスなコンチェルト。
後半も初稿物・編曲物という意表を突いたラインナップだが、ちゃんとマーラーとシューマンというアニヴァーサリーを踏まえている。
こういうプログラムを考え出すカンブルランという人、尋常でない知性を感じさせる。
シューマンが一番良かったかな。聴き慣れた改訂版とはかなり違うけれど(以前そうと知らずに第一稿のこの曲を聴いて、ベートーヴェンの7番が始まったのかとびっくりしたことがある)、カンブルラン先生のキャラにはよく合っていると思った。
ブリテン編のマーラーは、大作第3交響曲の第2楽章を二管編成に縮小したものだが、実によくできた編曲で、知らずにぼーっと聴いていたら編曲されたものだとは気付かないかもしれない。
いかにもマーラーが作曲したメヌエットやレントラーという、素朴で夢見るような美しい独立した小品に仕上がっていた。
マーラーに因んだプログラムの演奏会の冒頭とかに充分使えるんじゃないか(楽譜の入手の難易にもよるが)。
オーケストラの音色がとても端正に涼しく仕上がっていたことにも感心した。
いやはや、カンブルラン先生のプログラムからは目が離せませんな。
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