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2010.11.11

メータ、イスラエル・フィル、NHK

image - NHK Music Festival 2010NHK音楽祭2010-イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団演奏会(NHKホール)

ベートーヴェン/交響曲第6番「田園」
同 /交響曲第7番
 指揮:ズービン・メータ

ここのところ毎年聴いている、NHK音楽祭の公演。
今年はメータ指揮のイスラエル・フィルを聴く。

全席完売。
ウィーン・フィルですら切符が捌けない、外来オケ危機のこの時代に、3700席を売り切っちゃうんだから、さすがNHKの大盤振舞いである(私の席は、3階右翼の端近くの前から2列め。このホールの中では比較的音響条件の良い場所なのに、¥7000)。
某所でもつぶやいたように(笑)、コンサートではあるけれど、実質的にNHKの公開録画で、いかにもテレビ関係者が仕切ってますという雰囲気や内装が微妙ではある(ステージ前面の縁に沿って飾られた花とか、ロビーのそこここに目立つ派手な垂れ幕の数々とか。そのうちステージ後ろの反響板に吊り看板でもドーンとぶら下げそうな勢い)。

でも、演奏は良かった。
いや、良かったとかそういう問題じゃない。
これこそが「西洋音楽」である、というような、良い悪いという表層を超えた、無窮の安心感だった。

ズービン・メータ(1936年生まれ)。
巨匠である。
35年くらい前、私がクラシック音楽というものを聴き始めた頃から既にこの人はスターだったし(ロスフィルを指揮したホルストの「惑星」のレコードは、私の高校生時代の一番の愛聴盤のひとつ)、そしてその人を今もこうして聴くことが出来ているということには、なんだか不思議な感慨を覚える。

メータの指揮は、何か悟りを開いた人のように素っ気なくて、しかしこのうえなく流麗で淀みがない。
「田園」では、まるでほとんど何もしないかのように速めのテンポでどんどん進むだけなんだけれど、そこに見えてくる景色の多彩さや立体感や情報量の多さは何なんだろう。
例えば3楽章スケルツォの、トリオのファゴット。ああ、こいつ田舎の楽隊なんだな。音、3つしか出せないでやんの。
というようなことが、リアルに迫ってくる。
「7番」の冒頭は、「ただのイ長調の和音だけど、どうかした?」と言わんばかりに、何気なく美しく始まる。
棒はあくまでも流麗に流れていく。
2小節毎のf(フォルテ)のたびに力入れてガッと棒を振り下ろすような普通の指揮者が、馬鹿に見えてくる(ちょっと言い過ぎ)。
オーケストラは、一流のヨーロッパのオーケストラがそうであるように、ストレスのない響きとサウンドの一体感が素晴らしい。
対向配置ゆえ、向かって左にいるコントラバス群がもろにこちらを向いていて、ピラミッド型バランスの分厚い響きが真っ直ぐに飛んでくる。

…すごく良かった。
あ、良い悪いの問題じゃないって言ったんだっけ(最初に戻る)。
もしかしたら、録音だけでこれを聴いて、地味でつまらない、とか言い出す奴もいるかもしれない。
でも、殊更に本物であることを主張しない真の本物というのは、常にそういうもんですよ。

終演後の大喝采に応えて、アンコールはヨハン・シュトラウスのポルカを2曲。「テープは切られた」と、「雷鳴と稲妻」。
メータという人は、インド生まれとはいえ、もはや完全にウィーンの音楽家ですね。
ウィーンフィルが演るのと、何ら違和感は無かった。

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コンサート(2010年)」カテゴリの記事

コメント

NHK音楽際2010で鑑賞されたのですね。
私は,11月3日(水)にMaurice Bejart Ballet-Lausanneとの共演で,東京文化会館での演奏を聴きました♪。
Igor Stravinsky ゙Petrouchka ゙ Le Sacre du Printemps゙を演奏しました♪
舞台上では踊りがあり,オーケストラはピットでの演奏でした。素晴らしいですね!♪
この公演の前日にも,新国立劇場で,゙L'Oiseau du Feu゙を他のバレエ団とオーケーストラで聴きましたが,Bejart Balletのほうが斬新で迫力がありました。
実は,私ばBallets Russes゙(ロシア バレエ団)が好きなのですよね。20世紀初頭のParisを中心に華を開いた総合芸術といいますか。個人的には中学生時代の吹奏楽から始まってしまったような。
今日では,舞台上の踊り,舞台美術が少なくなり,オーケストラのみの演奏会が多くなり残念でなりません!!吹奏楽コンクールの自由曲も多いですね♪♪Ballets Russesの為に作曲を依頼され採用された曲,残念ながら不採用になった曲(名曲が多いですね!♪)演奏される機会が多いのに。
オーケストラとバレエを一緒にすると予算が厳しくなる事は理解できるのですが。
Ballets Russuesの公演をしてもよいと思うのですが。予算が厳しいですね。
でも,バレエとオーケストラの演奏が一緒にあるから良いのですよね。芸術として。
最後に,M,Ravel゙Daphnis et Cloe゙
Bartok Bela ゙Der Wundabare Mandarin゙(Ballets Russesではないのですが,Bejart Balletで)の公演を希望します。

コメントの内容が本文と違いお詫び申し上げす。

コメント有難うございます。
メータ=イスラエルフィルがピットに入ってその演目は凄いですね!羨ましいです。

私は東京バレエ団の「春の祭典」を観たことがある位で、実際のバレエにはとんと疎いです。
仰るとおりBallets Russesはその時代の象徴というか、重要な芸術思潮なので、その時代の音楽が好きな者としてはちゃんと接していなければいけないのでしょうが(汗)。

最近、定期会員の演奏会以外はご無沙汰気味ですが、私も11月3日の方に行ってきました。

すてきな演目、舞台を本当に堪能しました。ペトルーシュカ、春の祭典もすばらしかったですが、間に入ったマーラーの3番の後半部分をバレエにした舞台も見事でした。オーケストラを聴くという点でいうと、
ピットの上手側前面に木管楽器を配置させ、下手に弦楽器という配置だったため、通常のステージのオーケストラともバレエのピットとも違う音がするのが大変興味深いものながら、Thunderさんも書いているように、ヨーロッパの正統的な音がするのが印象的でした。

普段とは違う華やかなロビーの雰囲気といい、ヨーロッパの歌劇場の舞台を見たような充実感でした。

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