2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
フォト
無料ブログはココログ

« バリトンサックスでバロックとか | トップページ | ギャルド来日公演2010 »

2010.10.30

シャルリエ讃~シンフォニエッタ静岡

室内オーケストラ、シンフォニエッタ静岡(SSJ)の2011/2012シーズン定期公演の速報が発表になった。
詳しくはSSJサイト内のページをご覧いただくとして、今シーズンの名曲路線から一転した、地方の室内オーケストラとは思えない本気の雰囲気がなかなか凄いことになっている。

#実は私、この機会に、上記サイトのトップページに「地方への期待」と題する小文を寄稿しています。
2011/2012シーズンの案内パンフレットが出来たあかつきには、そこにもこの文章が載ることになっています。
短い文章ですが、よろしかったら読んでやってください。
(SSJのサイト内からも、さりげなく当ブログ内の記事にリンクが張られています)

さて、そんなわけで10月の静岡行きの覚書き。

Program_20101015シンフォニエッタ静岡 第16回定期演奏会~シャルリエの芸術(グランシップ 中ホール「大地」)

なんといっても、オリヴィエ・シャルリエ(Vn)である。
この、世界最高の、といってもいいヴァイオリンの巨人の演奏を、東京でほとんど聴くことができないのは、私にとって音楽界の七不思議のひとつだ(あとの六つは何だろう?)。
今回は、クレーメルが委嘱し、シャルリエがフランス初演を担当したというラトヴィアの作曲家ヴァスクス(1946-)の協奏曲と、言わずと知れたヴィヴァルディの「四季」を聴く。
いやー凄かった。
シャルリエの演奏を聴いていると、フレージングとは単なる「抑揚」のことでは断じてない、ということがよく分かる。
フレージングとは、緊張と解放のベクトルの交替だ。
音楽は、時間の流れの中で、さまざまな方向性と加減速度で融通無碍に動き回り、緊張と解放、膨張と収縮を繰り返す。
それらの総体がベクトルの形で現れるのが「フレージング」であり、それをコントロールするのはまさに「力業」である。

実はこの演奏会の翌日は私自身のアンサンブルの演奏会本番だったのだが、私の演奏した曲において、シャルリエを聴いて感じたことをきっかけに、吹き方を当日いきなり変えてみたところが何箇所かあった。
具体的にはリード先生の「カメオ」のことなんだけれど、例えばどこをどう変えた、というのは、ただ聴いている分にははっきりと分かるようなものではないと思う。
だけれど、今回この曲の演奏に関して、今まで何度か吹いたこの曲の演奏の中で、一番はっきりとした手応えと聴かれた方からのヴィヴィッドな反応を受け取ったのは、確か。

閑話休題。
オーケストラの演奏も、良かった。
シャルリエという人、演奏会場にただ座って聴いているだけの人間にさえこんなふうに感化を及ぼすほどの音楽家なのだから、何日間かのリハーサルと本番をご一緒したオーケストラのメンバーにとっては、はかり知れないほどの影響を受け取ったに違いない。
シンフォニエッタ静岡というオーケストラは「フランスの地方オーケストラのような」雰囲気のオケだと自己紹介しているけれど、正直なところ、管のほうが弦より(平均的に)上手くて積極的で、弦がやや聞き劣りする、というところまで「フランスの地方オーケストラ」と似ている感があった。
だが、管楽器の出演者がひとりもいない今日の演奏は、間違いなく今までのSSJの弦セクションとは一味違った音と存在感だった、と思う。

2012年1月の、シャルリエの「メン・チャイ」が、今から楽しみ。

« バリトンサックスでバロックとか | トップページ | ギャルド来日公演2010 »

コンサート(2010年)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« バリトンサックスでバロックとか | トップページ | ギャルド来日公演2010 »