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2010.10.03

バルトーク・レコーズ・ジャパン

先日、「音の輪」繋がりの友人であり、書籍『アルフレッド・リードの世界』(佼成出版社刊)の著者でもある村上泰裕氏から、一通の封書を戴いた。
今年4月を以て、本業である山形の公立中学校教員(英語)を退職し、アルフレッド・リードと並ぶもうひとつの年来の研究対象であるバルトークについて、研究所兼ネットショップ「バルトーク・レコーズ・ジャパン」を設立したとのこと。

米国の「バルトーク・レコーズ」は、作曲家ベーラ・バルトークの次男ペーテル・バルトークが1950年に設立したレコード会社で、LP時代には高品質なレコードで評判を取っていたそうだ(日本の輸入盤店では「バルトーク協会盤」と呼ばれていたもの)。
近年は当時のレコードのCD化のほか、父の作品の楽譜の改訂出版や書籍の発行に注力している。
村上氏は長年のペーテル氏との交遊の末、高齢となったペーテル氏を支援すべく、日本でのペーテル氏の出版物の販路整備のため、このたびのショップ立ち上げに踏み切った由。

現在のところ店舗はYahooオークション上で展開しているとのことだが(こちら)、このたび、全音から発売された「中国の不思議な役人」の組曲版としては世界初出版となるポケット・スコア(現在海外で出版されているのはいずれも全曲版である)の校訂と解説も担当されたとのことで、早速一冊送っていただいた。

The Miraculous Mandarin

これは、まさに「渾身の労作」、と呼ぶにふさわしいものだ。
楽譜は完全に一から新しく起こされた版で、ペーテル氏および氏と交流のある村上氏はじめ2名の校訂者による、37ページに及ぶ日英両語による詳細な解説と校訂報告は、圧巻の一言に尽きる。
現在の、この作品の世界で最も信頼できるスコアであり情報源である、と呼んでいいだろう。

村上氏の、『アルフレッド・リードの世界』でも示された驚異的な探究心と集中力、本業の域をも超えた英語力、何よりも「人間」に対する深い理解と興味と愛とが、最も素晴らしい形で結実したものだと思う。
事業の成功を確信し、心より応援するとともに、日本のバルトーク愛好家・研究者のかたがたにも是非お知らせさせていただきたい次第。

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