ドビュッシーの夜会
花房晴美 室内楽リサイタル
シリーズ~パリ・音楽のアトリエ/第一集 ドビュッシーの夜会(東京文化会館・小ホール)
C.A.ドビュッシー/
映像第1集
映像第2集
ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
チェロとピアノのためのソナタ
ピアノ三重奏曲
花房晴美(Pf)
木野雅之(Vn)、エティエンヌ・ペクラール(Vc)
前々から気になっていて、行けたら行きたいな、と思っていたコンサート。
6時半くらいに職場を出られたので、そのまま上野へ直行、開演ぎりぎりに当日券で飛び込んで聴いてきました。
曲目が素晴らしいですよね。
絵に描いたように典型的に「ドビュッシー」的な、ピアノのための2つの『映像』と、モノトーンでラプソディックで奔放な一筆書きのような最晩年のソナタ2つのあと、18歳のドビュッシーが書いた、若き日のフォーレかマスネかと見紛うようなロマンティックな佳作の「トリオ」が並ぶ。
まさにドビュッシーの夜会、という、タイトルそのもの。
ふと思い立ったときにこういうものが、素晴らしい音響のコンサートホールですぐに聴けるというのは、なんと贅沢なことだろうか。
パリ仕込みの花房さんはかなりにマイペースな演奏をされる方だが、共演者のいる室内楽の場合は、それが良い方に中和して、えも言われずフランスの室内楽ぽい、絶妙な雰囲気をかもし出す。
チェロソナタなんか、見事なもんでしたよ。
この曲はこういうことが言いたい曲だったのか、ということが、はじめて分かった気がした。
チェリストはパリ管をはじめとする複数のパリのオーケストラの首席を務めた後、現在はボルドーのアキテーヌ管弦楽団の首席奏者とのこと。
木野さんは言うまでもなく、日フィルのコンサートマスター。木野さんさすが、素晴らしい音楽家だなあ、と、改めて感心した。
全体にはとても満足した演奏会だった。
客席の真ん中で、1曲終わるごとに律儀に大声(いつも同じ声)でブラヴォーを叫ぶおじさんがいて、かなり興醒めだったが。
ブラヴォーには、言うべきタイミングつうものがあるんです。曲が終わらないうちに叫ぶなんてもってのほか。
それを分からずに闇雲に叫んだって、サクラみたいでとっても野暮ですよ。
ところで花房さんといえば、去年私がイベールの伴奏をお願いした先生も同姓ですが、特に関係はないようです。
というかこの方、私たち庶民には想像もつかないようなハイソな人脈をお持ちの方のようですね。
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