バリトンサックスでバロックとか
Baritone Saxophone & Oboe - 木管室内アンサンブルの夕べ(アーティストサロンDolce)
ヘンデル/トリオソナタ第1番
C.Ph.E.バッハ/オーボエと通奏低音のためのソナタ
プーランク/ピアノ、オーボエとバソンのためのソナタ
サン=サーンス/バソンとピアノのためのソナタ
ゼレンカ/トリオソナタ第5番
栃尾克樹(B.Sax)、青山聖樹・和久井仁(Ob)、安田正昭(Cemb・Pf)
風邪をひいても、コンサートには行く。
ということで、簡単にご報告。
見てのとおり、いっぷう変わった室内楽の演奏会だ。
もともと、バロック・古典の好きなバリトンサクソフォン奏者栃尾さんから、自分の楽器で「通奏低音」をやってみたいと、青山さん(N響首席オーボエ奏者)を口説きおとす形で始まった企画だそうだ。
というわけで、バリトンサックスが、1または2オーボエの編成のバロックのソナタ(ヘンデル、C.Ph.E.バッハ、ゼレンカ)ではチェンバロ(ローランドの電子チェンバロを使用)と共に通奏低音を担当し、プーランクとサン=サーンスではバソン(ファゴット)に代わって主役を張ることになる。
表面的には栃尾さんと青山さんのジョイントリサイタルのような趣だが、実質的には栃尾さんの実験精神によって組まれたプログラムだ。
チェロやファゴットの独奏曲をバリトンサックスで演奏する人は今までもたくさんいたけれど、こういうアプローチの仕方をする人は、少なくとも私は初めて見る。
結果的にはこれはもうなんとも見事な、鮮やかな、開放的な音楽となっていた。
栃尾さんの、必要以上に「サックス臭く」ないコンパクトで落ち着いた音色、サン=サーンスやゼレンカ(ホリガー&ブルグOb、トゥーネマンBnという顔ぶれの名盤は有名ですね)の目の回るような音符群と超高音域を自在に操る技術あってこその結果だろう。
ピアノもオーボエも、触発されたかいつになく遠慮のない吹き(弾き)っぷりで、ものすごい推進力のある音楽になっていたと思う。
百名ほどのスペースは、補助椅子も出る超満員で、体調の思わしくない身にはかなり辛かった。
曲が進むにつれて、どんどん酸素が薄くなっていくのが分かり、なんだか気が遠くなってくる。
もうちっと元気な時に聴きたかった。
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