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2010.09.10

シャルランのミヨー自作自演

この夏に買ったCDふりかえり第二弾。

Darius Milhaud, Le boeuf sur le toit, La creation du monde

ミヨー/屋根の上の牛、バレエ音楽「世界の創造」
 ダリウス・ミヨー指揮 シャンゼリゼ劇場管弦楽団(Editions André CHARLIN)

最近、伝説の名エンジニア、アンドレ・シャルランによる「エディション・アンドレ・シャルラン」の一連のCDが一気に再発売された(こちらを参照←HMVのサイトです)。
そのラインナップの中にあったのが、これ。
ミヨーの代表作2曲の、作曲者自演によるステレオ録音。
録音年月は明記されていないが、(C)1956という表記がある。

シャルランの録音といえば、LPレコードの時代には伝説的な名声を博していたものだったけれど、CD時代になってからは良い復刻に恵まれず、評判倒れ…になってしまっていた感もある。
これは、オリジナルマスターが不幸な事情により廃棄されてしまい、CD化される際の元の音源は各地に偶然残されていたサブマスターを使わざるを得ず、オリジナルのクオリティが担保できない、ということらしい。
実際、90年代に徳間のヴィーナスというレーベルで国内発売されたCDなど酷いもので、当時何枚か買ったCDはあまりの音の悪さに失望してほとんど中古屋送りにしてしまったくらいで。
CD時代最初期の80年代中頃に、クラウン・レコードから最初にCDが発売されているが、これは比較的ましな音で(それでも、オリジナルのLPの音を知る人からは不満の声もあるようだけど)、シャルランの代表的録音であるティッサン=ヴァランタンが弾いたフォーレのピアノ五重奏曲は、私は当時買ったCDを今でも愛聴している。
ヴィーナスの復刻でも、フランコ・グッリの弾くヴィヴァルディの「四季」などはなかなか悪くない雰囲気の音だったりするので(こちらにも記事を書いてます)、爾来シャルランの復刻というと、手を出すにあたってバクチ的な要素が多分にある訳ですが。

そんな訳で、このミヨー。これは文句なしに良いです。
作曲者とはいえプロの指揮者ではないので、「整理された」演奏では全然ないし、当時のフランスのオーケストラ一般の傾向でアンサンブルは緩いけれど(今日的視点で聴くと、オイ、これを放っときますか、とツッコミたくなる箇所も多々…笑)、音が隅々までキラキラ輝いていて、猥雑なまでに生き生きしている、という点にかけては、現代には絶対にない演奏だ。
ミヨーという人はたいへんな楽天主義者だったらしいけれど、この人にとって「音楽」とは、「こういう」ものなんだな、ということが実地に分かる貴重な「音」である。
ところどころマスターの物理的劣化を感じさせる部分は無い訳ではないものの、半世紀以上も前、しかもたった2本のマイクで録ったとは信じられない鮮やかな音は、シャルランの面目を保ったものと思う。
全部で30分ちょっとの収録時間が、いかにもLPレコードのCD化らしくて吉(笑)。
「世界の創造」の方は、以前kuriさんのブログで話題になっていた、EMIからの復刻と同じ音源なのだろうか(シャルランは自分のレーベルを立ち上げる前も後も、フランスEMIをはじめいろいろな会社で仕事をしている)。

今回の一連の復刻からは、このCD以外に、オンスロウの弦楽四重奏曲とか、盲目のオルガニスト、ガストン・リテーズのバッハ、ブクステフーデ他のオルガン作品集とか、渋いものも買ったんだけど、今回の復刻は概して成功しているほうではないかと感じる。

「世界の創造」のサクソフォンは、クレジットは無いけれど、私はデファイエではないかと判断。
後年のプレートルやバーンスタインの演奏とは感触が少し違うんだけれど、ところどころのヴィブラートに、この人以外には絶対あり得ない流儀が聞こえるので。

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