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2010.07.15

芸大&パリ音楽院交流演奏会

藝大&CNSMDP管打楽器シリーズ~海外との交流/パリ国立高等音楽院(CNSMDP)と藝大の精鋭たち(東京藝術大学奏楽堂)

L.ブーランジェ/トリオのための二章
 トリオ・メタボル
S.カンブルラン/金管五重奏のためのディヴェルティスマン
 原田照久・閏間健太Tp、溝根伸吾Hn、田中裕香Trb、林裕人Tub
R.カンポ/Tohu Bohu(初演)
P.ヒンデミット/テナーサクソフォン、ヴィオラ、ピアノのための三重奏曲
 トリオ・フチュロム
A.デザンクロ/サクソフォン四重奏曲
 田中拓也SSax、本堂誠ASax、山崎憂佳TSax、佐藤大樹BSax
E.クレスポ/金管五重奏のための組曲「アメリカーナ」第1番
 ラティテュード・サンク(Latitude 5)

こんな催しがあって、当日券で芸大の奏楽堂に入ってきました。
最近流行りの?学校交流演奏会なんだけど、結構いろいろなコンサートでチラシが撒かれているのを見た。
何気なく、いくつかの興味深い趣向がある。

リリー・ブーランジェの「トリオのための二章」という曲が珍しい、という話を聞いていたが、要は「春の朝に」と「悲しみの夕べに」という、リリーの作品の中では録音の多い2曲のピアノトリオ(Vn・Vc・Pf)バージョンのことだった。
ともあれ、実演は非常に珍しいので、貴重な機会。
これも一部でひそかに話題になっていたらしい、2曲めの芸大チームの金管五重奏の作曲者の名は、シルヴァン・カンブルラン。
そう、読売日響の常任指揮者としてまさに今来日中の、あの人である。
70年代にカンブルラン氏がリヨン管弦楽団でトロンボーンを吹いていた当時作曲した若書きの作品とのことで、リヨンの同僚だったトランペットの杉木峯夫・現芸大教授のおかげで日の目を見ることになったのだそうだ。
曲は比較的オーソドックスでポップな、フランセかボザか、Jazzぽいストラヴィンスキーか、という趣(スケルツォ楽章の最後に「魔法使いの弟子」の堂々たる引用があった)。
作曲者本人曰く、「ただ演奏者と聴衆が楽しんでくれればよい、他愛のない曲」とのことだが、確かにマスターピースとは呼べないかもしれないけれど、よく書けた楽しい曲だ。
演奏もなかなか良かった。最後に出てきたパリ音楽院の金五チームよりまとまりは良かったし、同じくらいよく鳴っていた。
カンブルラン氏本人も来場。演奏終了後は舞台に上がり、上機嫌でスピーチ(英語)。

演奏と曲が一番素晴らしかったのは、私がサックス吹きだからというヒイキ目を抜きにしても、フランス人のサクソフォン(Clément Himbert)、モロッコ人のヴァイオリン/ヴィオラ(Benachir Boukhatem)、日本人ピアニスト(馬場みさき)という組み合わせのTrio Futurumだったと思う。
レジス・カンポという作曲者も曲も全然知らなかったが、全編ミニマルの技法で書かれた、ファンタジーとアイディアに満ちた音楽だった。
私は正直言ってミニマル・ミュージックは好きじゃないんだが、このくらい「音楽」がある曲だったら大歓迎だ。
休憩をはさんで演奏したヒンデミットは、全曲暗譜、ビッグバンドの演奏でソロをとる人が前に出てくるように、立奏のお二人は演奏するパッセージの性格に応じてステージ上で自在に立ち位置を替わりつつ演奏。
それだけが原因じゃないと思うが、今までに感じたことがないくらい立体感と自発性のある音楽に聞こえた。

芸大のサクソフォンチームは、学生カルテットによるデザンクロ。
これはこれで私としてはたいへん興味があった訳で。
指導教員:冨岡和男、とプログラムにしっかり載っている。学生音コンのプログラムみたいだ。

…ああ、なるほど、デザンクロの四重奏曲って、アカデミックな世界では「今は」こういうふうにやるもんだ、という認識なのね。
レッスンでどういう内容のことを突っ込まれてるか、ということも、なんとなく類推がつくような感じがした。
いろいろと納得したり、うーむ、と思ったり。
デザンクロの四重奏曲という作品は、音楽史の上に「古典」として着地する、その直前の位置をいま飛んでいるんだな、ということを実感した。
まだ海の上とも山の上ともつかない空を自在に飛んでいた頃にこの曲に親しんだことは、今となっては懐かしい。
小さなことだが、3楽章のコーダに入ってすぐ、楽譜ではスラーなのに慣習的にスタッカートで演奏する部分を、楽譜どおりに演奏していた。
考えがあってやっているのなら知りたいものだ(スタッカートにする確たる根拠って、実は無いんだけどね)。
テナーの立ち回り方がとても上手だと思った。あとバリトンの音が良かった。

公開されている演奏会とはいえ、芸大の学内行事に近いような趣旨のものなので、普通のサクソフォン系の演奏会でお会いするような方々はあまり居なかったようだが、芸大-パリ音楽院出身のサクソフォン奏者A村さんにはお会いした。
「Thunderさん、さすがですね」と言われました(笑)

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