ヤン・パスカル・トルトゥリエ、4年ぶり
東京都交響楽団 東京芸術劇場シリーズVol.77
作曲家の肖像「ストラヴィンスキー」
3楽章の交響曲
ピアノと管楽器のための協奏曲
バレエ音楽「ペトルーシュカ」(1947年版)
ピアノ独奏:野平一郎
指揮:ヤン・パスカル・トルトゥリエ
(コンサートマスター:四方恭子)
やっと「初夏」ぽい気候になってきた。
土曜日はコンサートへ。
ヤン・パスカル・トルトゥリエ指揮の都響。
ヤン・パスカル・トルトゥリエはチェロの名匠故ポール・トルトゥリエの子息で、元々ヴァイオリンのソリスト。
私の家にも、ヤン・パスカルの指揮のCD(ChandosからたくさんのCDをリリースしている)の他に、ヴァイオリンを弾いたCDも何枚かある。
ヴァイオリン出身の指揮者ということで、旋律線重視の音楽をするのかと思いきや、いざ聴いてみるとアンサンブルの隅々まで目配ったトレーニング的な指揮をする人で、90年代に最初に都響に登場した時には驚かされたものだった。なにしろ、いつもの月よりも明らかに音が引き締まって、目に見えてアンサンブルの精度が上がっていたから。
以来、2~3年に一度の割で客演に訪れているが、前回が2006年の2月だったから今回はかなり久しぶり。
しかも、いかにも得意にしてそうな、ストラヴィンスキーの難曲3つの特集。
(「春の祭典」も難曲ではあるけれど、拍子がややこしいだけで、実際に指揮するとなったら「ペトルーシュカ」の方がずっと難しい。勿論ワタシは指揮したことはないけれど(^^;、スコアを読めばそのくらいは判る)
楽しみに聴いてみて、さすがに素晴らしかったんだけど、思ったのは、十数年前にスゴイ!と思っていたアンサンブル精度の水準というのが、今では日常のことになってしまった、ということ。
それは都響に限らなくて、東京のオーケストラの全体の水準というのが、この10年くらいでホントに上がったんだなあ、ということを改めて実感させる結果となった。
勿論、演奏自体は良かったので、手放しで絶賛のレポートを書くことは簡単なんだけど、「この先」をどうするかなあ、ということを考えさせられたのは確か。アンサンブルの精度は上がった、上手くなった、じゃあ何をする?と。
「協奏曲」とペトルーシュカでピアノを弾いた野平さんも、相変わらず「人間じゃねぇ」、という巧さでした。
ただペトルーシュカでは、指揮者とのコンタクトを重視したのか、ピアノは蓋を全部外して舞台中央に縦に置かれ(ピアニストと指揮者が正面から向かい合うようなセッティング)、反響板がない状態だったので音が飛んで来づらかったのはちょっと残念だった。
1曲めの「3楽章の交響曲」でもピアノが活躍するので、もしかしてこれも野平さんが弾いちゃうのかな、と思ったらさすがにそれは無くて、この曲のピアノは長尾洋史さんでした。
長尾さんは「ペトルーシュカ」ではチェレスタを弾いていて、そっちの方にびっくり。なんと贅沢な、と。
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