アシュケナージ再発見
NHK交響楽団 第1677回定期演奏会[Cプログラム](NHKホール)
フォーレ/組曲「ペレアスとメリザンド」
フランセ/クラリネット協奏曲(Cl:ディミトリ・アシュケナージ)
サン=サーンス/交響曲第3番「オルガン付き」(Org:勝山雅世)
指揮:ウラディーミル・アシュケナージ
(コンサートマスター:堀正文)
明日(12日)は、(自分が出演する)演奏会本番。
自分の本番の前の日に、コンサートを聴きに行くことが時々ある。
スケジュールの関係で偶然そうなることが多いんだけど、いいもんです。
今日は演奏も予想を遥かに上回る素晴らしさで、ホントに大当たりだった。
サン=サーンスが素晴らしかった。
第1部前半の完璧なアンサンブル、後半アダージョの内に向けて高揚する情感の見事さ。
オルガンもとても良かった。NHKホールのオルガンって意外と良い音がするもんでちょっと驚いた。側面設置なので音量バランスは難しそうだけれど、同じ側面設置のS文化センターよりも断然良いと思った。舞台とオルガン席はかなり離れているのに、アンサンブルもほとんど問題なし。
第2部前半だけはほんの少しテンポが滑り気味だったけれど、最後の音符に向けての1本の流れをゆるぎない一貫した設計で演り切ってくれて、ほとんど予定調和のような確たる感動に至る。
この曲は演奏機会は多いし、フランスのオーケストラの来日公演のメインプロにもよくかかるのに、実のところジャン・フルネ師の引退後、この曲の本当に感動的な演奏にはさっぱり巡り逢えていなかったので、もうましな演奏は聴けないのかと半分諦めていたのだけれど、まさかアシュケナージ君がやってくれるとは…
アシュケナージって、見ていても特に何かしているようには見えないんだけどね。
練習だってそんなに細かくやる人だとは思えないし。
昔聴いた印象が(チェコフィルの日本公演とデュトワ時代当時のN響)あんまり良くなくて、世間の評判もいまいちだったため、なんとなく聴く気が起こらずに、N響の監督在任中の3年間にはついに一度も聴かないままだった。
だけど、今日と先週聴いた2回の演奏会の素晴らしさは、まぐれとは思えませんよ。たとえオケ主導で作った演奏だったとしても。
ちょっとこの先、認識を改めなければなるまい。
2曲めのフランセでは、子息のディミトリ君(1969-)と共演。
巧いっ!
スケールの大きな音楽をする人だ。音が多少汚くたって構わんもんね、みたいな。
聴き終わったあとしばらく、1楽章最初のクラリネットの「タータタ、タータタ、ターーララララー」という(いかにもフランセらしい)馬鹿っぽいフレーズが頭の中をぐるぐる回っていて、困りました(笑)
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