ドヴォ8祭り
ドヴォルザークの交響曲第8番。
私自身が今まさに、こちらでお知らせさせていただいた本番に向けて取り組んでいる曲である。
毎週日曜日の練習は、厳しくも楽しく進行している。
こちらの楽団で過去数年に演奏した曲(「幻想交響曲」とかベートーヴェンの「5番」とか)に比べたら、精神的にはかなり楽だ。
決して易しいという訳ではないんだけど、発音やフレーズの持っていき方を、「感覚的」に処理しやすい曲だからだと思う。
この金曜(28日)は、今季3回めの日本フィル定期だった(サントリーホール)。
今年70歳を迎えた、日本フィル桂冠指揮者・小林研一郎指揮による、まさにそのドヴォルザークの交響曲第8番。
前プロのチェロ協奏曲には間に合わず聴けなかった。残念!
コバケンのドヴォ8はやはり、いいですね。
模範的でありながらユニーク、というか。
ちょうど1年前、久々の都響への登場で聴いた感動的な「我が祖国」もそうだったけれど、この人のユニークさは、演奏の重量感と浮遊感の独特の共存にあるような気がする。
表面的にはとても熱くて派手で、「炎のコバケン」というキャッチフレーズにふさわしい作りなんだけど、ただやみくもに熱いだけではなくて結構醒めている部分もあって、しかもそれが理知的というよりはかなり本能的なんだな。
いつもはちょっと不満のある日フィルの弦も、今日はよく鳴っていた。
終演後の場内は大沸きに沸く。
さすがに今回はかなりに客入りが良い(先月の上岡さんの時なんかがらがらだったんだよなあ)。
この人が日本フィルの聴衆からいかに敬愛されているかがよく分かる。
定期ではふつうアンコールはしないのですが、という前置きつきで、アンコールに「ドヴォ8」フィナーレの最後51小節をふたたび。
さて、実は、この先しばらくの東京オケ界では「ドヴォ8」が立て続くことになっている。
来週末にアシュケナージ=N響(前プロも同じチェロ協奏曲)、次の週にはインバル=都響と、今日のコバケン=日フィルも合わせて、3つのオーケストラとそれぞれの看板指揮者の競演となる(ちょっと飛んで8月にはグシュルバウアー=読響というのもある)。
インバル=都響はちょうど私たちの本番の日で(なので私は聴けない)、しかもあちらは昼公演で私たちは夜なので、どうやら昼間サントリーで都響を聴いたあと私たちの演奏会をハシゴするという方もいらっしゃるようで、ちょっと困ったことになってます(笑)
この曲はポピュラーな曲なので、珍しくもないことなのかもしれないけれど、ちょうど自分がその曲を手がけている時、というのは楽しい偶然だ。
来週のN響は行きます。実はアシュケナージは久々(N響の音楽監督在任中は結局聴けなかったし)。
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