花ざかりの上野の山にて
京都フランス音楽アカデミー教授陣による特別演奏会(東京文化会館・小ホール)
平義久(1937-2005)/Filigrane I
Fl:ピエール=イヴ・アルトー、Pf:クリスチャン・イヴァルディ
プーランク/チェロソナタ
Vc:フィリップ・ミュレール、Pf:パスカル・ロジェ
ショーソン/終わりなき歌Op.37
Sp:ペギー・ブーヴレ、Vn:ジャン=ピエール・ヴァレーズ、森悠子、Va:ブルーノ・パスキエ、Vc:フィリップ・ミュレール、Pf:クリスチャン・イヴァルディ
ベルリオーズ/「イタリアのハロルド」より第1楽章(リスト編)
Va:ブルーノ・パスキエ、Pf:パスカル・ロジェ
アラン・ゴーサン(1943-)/オジーヴ
Fl:ピエール=イヴ・アルトー、Pf:クリスチャン・イヴァルディ
サン=ジョルジュ/協奏交響曲ト長調Op.13
Vn独奏:ジャン=ピエール・ヴァレーズ、アレッサンドロ・モッチア
京都フランス音楽アカデミー合奏団
毎年春の楽しみ、京都フランス音楽アカデミーの東京演奏会。
フランスの第一線のプレイヤー=教育者が奇蹟のように集っての、フランス室内楽の精華。
今年で21回めだそうだ。
一頃はずっとここ東京文化の小ホールだったけれど、近年はみなとみらい小ホールをはじめ、いくつかのホールを転々としていた。
今年は東京・春・音楽祭の一環ということで、めでたくも花見客で賑わうこの上野の山に戻ってきた。
大ホールではちょうど「パルシファル」の上演中。
今年もまた、他の機会や場所ではまず絶対に聴けないであろう豪華さだった。
何年か前にプログラム変更で聴くことのできなかったショーソンの「終わりなき歌」(ソプラノ独唱+ピアノ+弦楽四重奏という編成)が聴けたのが嬉しい。
臆面もなくセンチメンタルで、しかし凛とした、フランス・ロマン派音楽の最も美しいページ。
ポーカーフェイスを崩さぬまま、唖然とするような完璧なフォルムを繰り出すチェロのミュレール師。
鬼瓦のような顔で、やはり鬼神のように弾きまくるヴィオラの巨匠、パスキエ師。
弾き終わって拍手を浴びて、ニヤッと笑う顔がまた迫力がある。
ピアノはパスカル・ロジェにクリスチャン・イヴァルディ(!)というお二人の交替ですよ。
ただメンバーが凄いだけでなく、セミナーの講師演奏会、という独特のノリというものはある。
単なる「仕事」ではなく、私は「音楽」を若い人たちに伝えるためにここにいる、という演奏者の気概が、音楽を格別に価値あるものにしている、気がする。
最後はセミナー受講生から選抜されたメンバーの合奏をバックに、ヴァイオリンのお二人によるギャラントな競奏。
夢のような2時間だった。
来年もまた聴きたい。
できればここ、東京文化の小ホールがいいな。
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