彫像のような…ブロムシュテット、マーラー9
NHK交響楽団 第1670回定期演奏会[Aプログラム](NHKホール)
マーラー/交響曲第9番
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット
(コンサートマスター:篠崎史紀)
「N響のマーラー」を聴いた。
ブロムシュテットとの「9番」は、その昔にたいへんな名演があったらしい。
期待しつつ3階席に座る。
余談だけれど、私は昔、ブロムシュテットに(顔が)似てる、って言われたことがあります(笑)
演奏開始。
最初のうちはどうにも「他人事」みたいで、入り込めなかった。1楽章では途中ちょっと眠くなる。
この、広すぎる会場のせいかなあ。でも同じ席でサンティの指揮を聴いたときにはそんなことは全然感じなかったからなあ。
誰も言わないけれど、曲自体の問題かもしれないとも思う。
マーラーの9番って、最後があまりにも感動的なので聴き終わると忘れちゃうけれど、1楽章では疑問符を感じてしまうことが結構多いのです。
3楽章以降は素晴らしかった。
指揮台に立っているのが82歳の指揮者だとは信じられない。
大胆かつ機敏な動作、あまりにも見事な隙のない捌きっぷり。
まるで才能に溢れた若い天才指揮者が仕切っているかのような音の出方だった。
関山さん(3楽章Tpソロ)、ブラヴォー!
フィナーレは現世のこととは思えないような、崇高な、と言っていいような足取りで進む。
客席も、普段のNHKホールのお客さんとは別格のような集中があったと思う。
終演後はもう、爆発的な大喝采とブラヴォー。
オケが引っ込んでからも拍手が止まらず、ブロムシュテットをもう一度舞台に呼び返すという、生前の朝比奈さん状態。
でも正直言うと、私はこういう彫像みたいな立派なマーラー9番ではなく、もっと人間くさい演奏のほうが好きだが。
ベルティーニの最後の演奏に接したからかもしれない。
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