日曜はインバルのベートーヴェン
東京都交響楽団 東京芸術劇場シリーズVol.76
作曲家の肖像「ベートーヴェン」
「エグモント」序曲
ピアノ協奏曲第5番「皇帝」(Pf:小菅優)
交響曲第5番
指揮:エリアフ・インバル
(コンサートマスター:山本友重)
3月は都響のインバル月間。
大きな期待と共にこの月を迎える。
最初は芸劇での、ベートーヴェンのマチネ。
#当初チラシが入手できなかったが(発売早々に売り切れた演奏会だったので)、私のチラシへの執念(笑)を知るある方が、都響事務局にかけあって(!)入手してくださった。
ありがとうございます。
しかし今日はまたなんという曲目だ。
エグモントに「皇帝」に「運命」。
普通だったらこれ、完全に「名曲コンサート」の曲目ですよ。
得体の知れない海外オケ(失礼)の地方公演の曲目ならともかく、東京のメジャーオーケストラが自分のところの看板指揮者を立てての主催公演でこのプログラムを立てるというのは、それ自体が挑戦的だ。
終わってみればさすがと言うか何というか、ちょっとないような物凄い演奏だった。
昨年4月にやはりここ芸劇で聴いた「エロイカ」と同じく、木管は倍管。頭の「エグモント」から、低弦がうなりを上げるようなカロリーの高いサウンドと、全く隙を作らず、たたみかけるような音楽の運び。
休憩後の「運命」では、楽章間の休みもほとんど取らず、緊張を保ったまま一気呵成に進行する(インバルさん得意の流儀)。
「第九」の演奏会の前座で弾かれるような予定調和な「エグモント」や、名曲コンサートぽいありがちな「運命」とはまるで別次元の、これぞベートーヴェン、という、闘争とドラマと情念の世界だった。
楽譜上のダイナミクスやら何やらも楽器毎にかなりこと細かにいじった形跡があって(特に「運命」)、誰かが「マーラー編曲のベートーヴェンみたい」、と言ってたけど、そんな感じ。
「皇帝」は、2楽章が素晴らしかった。
小菅さんは初めて聴いたけれど、なるほど、ただ音を上手に並べるだけのピアニストとは対極にあるような、まるで上手な弦楽器のように強靱なフレージングを作れる方だ。
音量のでかさを売りにするような人ではなさそうで、両端楽章ではややオケに負けていた感じもしたが(インバルさんがまた、コンチェルトだからと言って全く手加減しないし)。
スターティングメンバーはFl寺本、Ob広田、 Cl佐藤、Bn岡本、Hn西條、Tp高橋、Timp久一、でした。
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