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2010.03.13

「ようこそ日本フィルへ」

JapanPhil, 100312日本フィルハーモニー交響楽団 第618回定期演奏会(サントリーホール)

モーツァルト/ミサ曲ハ短調K427「大ミサ曲」
 Sp:天羽明惠、加納悦子、Ten:鈴木准、Bs:成田眞
 合唱:東京音楽大学
プロコフィエフ/交響曲第4番(改訂版)
 指揮:アレクサンドル・ラザレフ
 (コンサートマスター:木野雅之)

突然ですが、日本フィルの定期会員になりました。
在京オケの会員は、都響(定期メイト、芸劇シリーズ、プロムナード)、新日本フィル(トリフォニー第2日)、N響(Aシリーズ第1日)に続いて、4つめ。
ちょいと馬鹿ですが。

日フィルの今年の春季定期5公演のうち、是非聴きたいものが3つあったのだが(ラザレフのプロコフィエフ・チクルスは完走中だし、来月の上岡さんも是非聴きたいし、6月のマリンバの御大・安倍圭子女史の「ラウダ・コンチェルタータ」も然り)、3回分のチケット代(同一席ランク)に500円を足せば、5公演分の定期会員券が買えてしまうことが判ったのだ。
日フィルは会員券が(他のオケより)安いのです。
残り2回も、コバケンのドヴォ8に広上さんのスクリャービンと聴き応えありそうだし。

という訳で、まんまと乗せられたような気がしなくもないが、十数年ぶりの日フィル定期会員復活を果たしたのだった。
本日(12日)、今シーズン最初の定期は、快進撃中のラザレフのプロコフィエフ交響曲全曲チクルスの4回目。

サントリーホールに入り、指定された席へ向かうと、椅子の上に何か折り紙細工のようなものが乗っていた。

20100312
(家に持って帰ってから撮ってます)

裏返して開いてみると、こんなふう。

20100312

どうやら、今季からの新会員の人全員の座席に、あらかじめ置いておいたということらしい。
へええ、楽しい気配りですね。
なんか、プロっぽくないというか。
これがN響や都響だったら、こういう小技はあんまりイメージできない。読響もかな。
N響や都響がサービスが悪い、ということじゃなくて、オーケストラにも人間と一緒でそれぞれの「性格」があって、こういうことは「こっぱずかしい」、という感覚が先に立ってしまいそうな感じはある。
正直なところ、私自身にもそういう感覚はあるけれど(ワタシゃまさに、都響とN響で育った人間ですからね)、それでもこういうことを正面切って堂々とやられると、悪い気はしない。
なんだか客商売一般に通じてそうな事例だと思った。

ということで開演。
ラザレフ氏曰く「プロコフィエフの交響曲の中には、モーツァルトの音楽に感じられるのと同じ簡潔性、明快さ、透明性を見出すので」、本日のような曲目となったとのこと。
それにしても演奏時間1時間の「大ミサ曲」を前プロに持ってくるとは、なんと大胆な。
実は初めて聴く曲だ。
合唱(150~160人ほど)は素晴らしい熱演だったものの、正直言ってそれほど「モーツァルトらしい」才気を感じる曲には思えず、途中ちょっと眠くなった。モーツァルト以外の人の筆が入っているせいかな。
休憩後のプロコフィエフは、「4番」。
私が聴き慣れていたCDは初版(マルティノン指揮のVox原盤)だったが、今回は改訂版。演奏時間が前者25分に対して改訂版は40分以上と、まるで違う曲に聞こえる。
そもそも始まった瞬間からぜんぜん違うし。
なんだかちょっと、とりとめがないというか、冗長というか、同じことを繰り返してるというか、…私はまだ初版のほうが好きだな。
演奏は、今までのラザレフ客演時のような「特別な」雰囲気が少し引っ込んでいたような気がした。
とはいえ、ラザレフの要求を「日常的に」こなすことができるようになった、ということなら、それはそれで大きな成長であることは間違いない。
全体のサウンドの立派さとか管の安定感とか、つい数年前の日本フィルじゃないですからね。

アンコールに、「ロメオとジュリエット」第2組曲より「踊り」。速っ!
ロシアですね~。
ラザレフお得意、曲の終わりの音と同時に客席の方へ向き直り投げキッス、というパフォーマンスも飛び出し、大喝采。

次回9月は、傑作中の傑作、「5番」。
刮目して待ちましょう。

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コンサート(2010年)」カテゴリの記事

コメント

はじめてコメントいたします、今までもこっそり読ませていただいておりました。yunnanと申します。日フィル定期会員に「同期入会」となったようですね。(Thunders様は再入会ですが…)
春期プログラムが全部聴きたかったので、入ってしまいました。当方も新日、都響と3オケ目です・・・。
座席に何か置いてあるので「なんじゃい」と思ったら歓迎カードでちょっと嬉しくなりました。日フィルはアットホームな印象ですね。
モーツアルト・大ミサは歌ったことがあります(アマチュア合唱団員)が、版が違うこととラザレフさんがあまりに速いので、かなり違う印象で、スリリング(?)な楽しさがありました。古楽系だとソロやフーガの所などモーツァルトっぽい曲に聴こえると思います。
プロコ完走中とは、うらやましいです。次回がとても楽しみになりました。

コメント有難うございました。
日本フィルの今季のプログラムは面白そうですね。
実は来季9月からの曲目もなにげに楽しみだったりします。

「大ミサ」を歌ったことがあるとは素晴らしいです。
私など、エラソーなことを書いても、モーツァルトの宗教曲は「レクイエム」くらいしか実はまともには知らないという、おはずかしい限りです。
大ミサ、この機会にCD探してみようと思っています。

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