在りし日のイーゴル、在りし日のN響
最近発売された、昔(27年前)のN響のDVD(NHKエンタープライズ)がなかなか面白かったので、ご紹介。
巨匠イーゴル・マルケヴィチ(1912-1983)が、死の1ヶ月前に客演したN響定期公演(1983年1月12日)の映像。
曲はチャイコフスキーの「悲愴」と、「展覧会の絵」。
当時大学生だった私はTVで見ている筈だけれど、残念ながらあんまり記憶がない。
マルケヴィチという人がどんな人なのかという認識も当時はなかった。勿体ないことである。
映像のクオリティは、NHKTVで放映されているものと基本的に同じ。
なんだか「N響アワー」を観ているような気分になる。
しかしこの時代のN響はなかなか凄い音してますね。
今のN響にはないまとまり方かもしれない。
当時のN響にいた往年の名手たちの若き日の勇姿が懐かしい。
スターティングメンバーはFl宮本、Ob小島、Cl浜中、Fg岡崎、Tp津堅(髭の人は1stアシ)、Trb伊藤、Timp百瀬。(敬称略)
もう、(つい先月定年となった津堅さんを最後に)軒並み引退されている。
目立ったところで今も現役の方って、チェロ首席の木越さんくらいではないか。
ホルンのトップは御大千葉馨氏(故人)だああ!
おそらく勇退直前の貴重な映像。
しかし随分と簡単な造りの楽器ですねえ。Bbシングル?
今、こんなシンプルな楽器を吹くプロの方ってあんまりいないような気がする。
「古城」(展覧会の絵)のサックスは武藤賢一郎氏。
ちょうど、パリから帰って、八面六臂の活躍をされていた頃ですね。
FontecのLPレコードの頃のお顔だ。
「ビドロ」のユーフォ(楽器はテナーテューバ?)がどなたかは、私には分からなかった。
このお顔に見覚えのある方がいらっしゃいましたら、ご教示くださいませ。
テューバ多戸さんのこの髪形も懐かしい。
マルケヴィチ。
「死を目前にした鬼気迫る雰囲気」とかは、少なくとも映像からはあまり感じない。
ただ、物凄い集中力とスケールの大きさは、ひしひしと伝わってくる。
コンマスは徳永二男氏。
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山本訓久氏では?芸大院卒の。
投稿: ランチ | 2010.03.08 14:15
TPの髭の方は祖堅方正氏では?
投稿: タカヤマ | 2010.03.08 16:24
山本訓久氏の画像をWeb上で探してみたら、かろうじて一つだけ見つけました。
http://www6.plala.or.jp/sennsui/concert/teien24.html
プロフィールといい、活動を始めた年代といい、ほぼ間違いないと思われます。
髭の方(元首席・祖堅氏)は他の場所でも何人かの方にご指摘をいただきました。
トロンボーン2ndは関根氏のようですね。
ご教示ありがとうございました。
投稿: Thunder | 2010.03.09 01:10
コメント遅くなりましたが、パイパーズ60号(1986 AUGUST)に山本訓久氏へのインタビュー記事がありますので、一部引用してご紹介します。
-以下引用-
以前N響でマルケビッチさんの棒でこの曲(展覧会の絵)をやった時、マエストロは「ワグナーテナーチューバでやってくれ」という注文だった。で、僕がアマティのテノールホルンを見せたらOKが出ました。その時「君は良いプレーヤーかい?」って聞かれたことを覚えている(笑)。
-引用終わり-
との事です。
投稿: わんこ | 2010.03.25 11:39
1986年のパイパーズですか。私の家にもどこかにあるはずです(創刊号から全部あるので)。
本人が言っているのでしたら間違いないですね。
情報ありがとうございました。
投稿: Thunder | 2010.03.26 00:51