下野都響ラヴェル
東京都交響楽団 東京芸術劇場シリーズVol.75
作曲家の肖像「ラヴェル」
組曲「クープランの墓」
ツィガーヌ(Vn:松田理奈)
左手のためのピアノ協奏曲(Pf:横山幸雄)
ボレロ
指揮:下野竜也
1月最後の日曜日。
さあ、今年もいよいよ残すところあと11ヶ月となりました(笑)
今日はいろいろと(知っている人の乗る)興味深い演奏会が重なっていたんだけれど、大変残念ながら失礼をして、年度始めからまとめてチケットを取ってあったこちらへ。
全曲ラヴェルの作品という得難い曲目。
下野さんってほんとにマジメな人ですねえ。
もっといい加減にやってもいいのに、と思うような箇所も、きっちりきっちりと振っていく。
でも、フランス人でもない私たちがラヴェルをきちんと再現しようと思ったら、そうやって細部を螺鈿細工のように精密に妥協なく仕上げていくしかないのかもしれない。
「クープランの墓」は、首席奏者広田さんの鮮やかなオーボエソロは勿論だけれど、何よりも下野さんと都響のレベルの高い協同作業の成果で、今日一番の聴き物となった。
有機的で精度の高いアンサンブルの中から、ラヴェルの作品ならではの独特の香気がおのずから立ちのぼってくる。
もしかしたら現代の多くのフランス人すらそれを忘れ去ってしまっているかもしれない、と思わせるようなものが。
「ツィガーヌ」の理奈ちゃんは、上手いけれど、ちょっと真面目過ぎかな。
この曲は上手いだけではなくて、もうちょっと悪魔的というか、ブチ抜けちゃったようなところも欲しいな。
「左手」は、模範的な演奏。
横山さんはこの曲を得意としていて、たしかジャン・フルネ師の指揮で聴いたこともある。
実際に左手だけでこの曲のすべての音が出てくる現場を見るというのは、それだけでも実演ならではの面白さだ。
しかし、指揮が下野さんで、ピアノが横山さんで、コンマスが矢部さんというのは、なんだかU野学園の学内演奏会みたいで(笑)
「ボレロ」は、まあお約束でしょう。
西川さん(スネア)、ブラヴォー。
フルネ師の引退以来急激に聴く機会が減っちゃったけれど、都響のフランス物はやはり上手いなあ。
もっとやってください。
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