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2010.02.13

堀賀の者、葉隠津

と書くと忍びの者みたいですが。((c)N響の茂木さん)
行ってきました。

Heinz Holliger, 100213ハインツ・ホリガー(Ob)&スイス・チェンバー・ソロイスツ(みなとみらい・小ホール)

ベートーヴェン/セレナード ニ長調Op.25(Fl、Vn、Va)
エリオット・カーター/HBHH~オーボエソロのための
同 /インナー・ソング~オーボエソロのための
同 /四重奏曲~オーボエと弦楽のための
ルドルフ・ケルターボーン/四重奏曲~オーボエと弦楽のための
ハインツ・ホリガー/(é)cri(t)~フルートソロのための
モーツァルト/オーボエ四重奏曲K370
 ハインツ・ホリガー(Ob)
 フェリックス・レングリ(Fl)、ダリア・ザッパ(Vn)、イェルグ・デーラー(Va)、ダニエル・ヘフリガー(Vc)

ハインツ・ホリガーの名前は、高校生の時から知っていた。
自作自演をはじめとする超難解な曲を書く前衛作曲家として、またベルリンフィルやウィーンフィルにも客演するという指揮者として、これだけレベルの高い活動をしつつ、世界一巧いオーボエを吹いてしまうのだから、まさに「怪物」である。
サクソフォンの世界で、例えばクロード・ドラングルという人物がいかに革新的だとしても、ホリガーの巨大さの前には足元にも及ばないだろう。
17年ぶりの来日だそうだ。
今年71歳になるとのことで、もう「次」はないだろうと思い、今回は絶対に行こうと思っていた。
10日の東京公演はあっという間に売り切れ、今日の横浜公演も売り切れぎりぎりで押さえたのだ。

まるで「前座」みたいな(演奏はとても良くて、決してそんなことはなかったのだが)ベートーヴェンの長いセレナードの後、ホリガー登場。
どこにでもいそうな、大学の先生ふうの小柄なお爺ちゃんだ。
拍手が止んだあとほとんど間を置かずに吹き始めた、割れ鐘のような音に、びっくり。
ステージ中が振動しているかのようだ。
オーボエという楽器は、管の直径が1メートルくらいあるんですかもしかして、と思ってしまったくらい。
てゆーか、そもそもこれってオーボエなんですか。

フレーズの隙間で息を吐いて吸う、強烈なブレスの音が、私のいる9列めまではっきり聞こえてくる。
強大なフォルテも、遠くで風が吹くような超ピアニシモも、フラジオも重音も、出てくるそばからきわめて自然に「あるべき場所」にある。
ソルフェージュ的に超高難度である2つの四重奏曲では、吹きながら足でリズムを取り、休みの小節では左手で指揮をしてアンサンブルを仕切る。
音楽の隅々まで、どんな細部の32分音符ひとつまで、すべてを把握して、かつ「聴いて」いるのだろう。
こういう人と「共演」するというのは、どういう感覚なのだろうか。
私には想像するしかないけれど(というか、想像すらつかないけれど)、違う星に連れて行かれるようなものかもしれない。

あっという間に最後のモーツァルト。
みなとみらいの小ホールに美しく鳴る、コロラチューラな響きに、ちょっとホッとする。
アンコールに、はじめて5人全員ステージに乗って、クリスティアン・バッハの五重奏曲(Op.11-6)より2つの楽章。

…いやはや。
先日武藤賢一郎氏を聴いたときにも思ったけれど、本当にすごいものというのは、「比較級」ではないですね。
全く違う次元のものとして、突然に私たちの前に立ち現れる。
そして、見よう・聞きようによって全く違う様相を見せる巨大さを備えている。
「ホリガーの来日は2010年のトップニュースだ。」という公演チラシ裏の惹句は、大袈裟ではなかった。

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コンサート(2010年)」カテゴリの記事

コメント

私も雨の中みなとみらいホールまで足を運びました。始めてC.Dalangle,P.Boulezの演奏を観た時と同じ位感動しました。本当に素晴らしい!彼はP.Boulezとの共演はあるのでしょうか?演奏を聞いていた時に!C.Dalangle?と思ったくらいです。日本人の演奏者の方にも、こういう演奏者がいても良いのでは!?平野 公崇さん、大石 将紀さんに期待です。忘れてたました!清水 靖晃さん!!

同じ会場にいらしたのですね。

本文にはああ書きましたが、ドラングルという人は間違いなくホリガーに影響を受けていますね。
というか、現代の創造的な演奏家で、ホリガーの影響と全く関わりのない方というのは、私にはちょっと想像がつきません。

私の所有する、ホリガー独奏のエリオット・カーターのオーボエ協奏曲のCDは、ブーレーズの指揮です(Erato)。
今も手に入るものかどうかは判りません。

武蔵野市の公演を聴きました。
最初にホリガーのLPを買ったのが1966年、
実際の演奏を聴いたのが1970年、かなり長い時間、直接話しが出来て、色々とアドバイスを頂いたのが1982年、サントリーホールの本番を聴いたのが1987年(すぐ隣の席が経営学者の大前研一さんご夫妻<アメリカ人の奥様はオーボエ奏者です>でした)
そして今回、本当に久し振りでしたが、全く衰えのない、若々しい音楽に驚嘆!
でも、彼より10歳若いのに「歳だから」と言えなくなってしまった。どうしてくれる??!!

団塊さま

1966年だったら私は4歳です(笑)
同業者(オーボエ)の方とお見受けしましたが、ホリガーという人はあまりにも巧すぎるので同業者としてはある意味「迷惑」だ、という話を聞いたことがあるのですが、そういうものなのでしょうかね。

コメントありがとうございました。

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