2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
フォト
無料ブログはココログ

« 輪(CIRC)になって踊ろう | トップページ | SAX EXPO »

2010.02.18

A.リード作品集と3人の指揮者

先日、とある方々からCDギフト券を戴いた。
楽譜を書いた(編曲)お礼、のような意味合いだったんだけど、これは私の趣味みたいなものなのだが、まあ、下さるというものは有難く戴くことにする。
吹奏楽の仲間からの頂き物なので、吹奏楽のCDが良かろう。
という訳で入手したのがこれ。

Armenian Dances

アルメニアンダンス~ベスト・オブ・アルフレッド・リード(SONY Classical)

ソニーのベスト・クラシックス100というシリーズの1枚。
ワルターの「巨人」やベートーヴェンや、グールドのバッハや、ホロヴィッツのショパンやシューマンが並んでいるクラシック定番シリーズの一角に「アルフレッド・リード作品集」が入ってくるというのは、時代は変わったものだと思う。

「アルメニアンダンス」の全曲は、アントニン・キューネル指揮の武蔵野音大ウィンドアンサンブル。
これは、ある意味、私の「青春」でしたね。
「アルメニアンダンス」全曲版の音源は、今なら主だったところだけでも作曲者自演、フェネル、佐渡=シエナという選択肢があるけれど、私が学生だった頃には1979年録音のこれしかなかったから。
LPレコードで散々聴き込んだ演奏だけれど、こんなところでCDになってたんだ。

キューネルという人は、私たちの世代の吹奏楽人にとっては、武蔵野音大のウィンドの「顔」のような方だった。
なんでも、何時間かのリハーサル時間をすべて「アナタそこ高い、そこ低い」だけで終わらせてしまうという音程偏執狂な方だそうで、一度プロオケを相手にそれをやって以来完全に干されてしまった、という話も聞いたことがある。
まあ、プロ相手にそれはさすがにちょっとマズイだろうけど、私の同世代で武蔵野のフルート科にいた友人がしみじみとこう言っていたのを聞いたことがある。
「あの頃はキューネルのリハーサルが嫌で嫌でしょうがなかったけれど、あれで鍛えられて以来、音程が合っていないということがいかに気持ち悪いか、ということを実感できるようになった」
音程が良いだけが音楽ではない、けれど、音程が良い、ということはやはり「良い音楽」には必要である、と。
以前の日記(吹奏楽コンクールの話)で、「金賞」になんか意味はない、ということを説得力をもって言い切るためには、一度は金賞を獲らなければいけない、というようなことを書いたことがあるけれど、似ている論理かもしれない。

このCDには、アルメニアンダンス(1979年録音)の他に、第2組曲(1984年録音)、オセロ(1987年録音)と、キューネル=武蔵野音大WEの演奏が3つ入っている。
面白いことに、新しい演奏ほど、明らかに音楽の完成度が高い。
学生なのだからメンバーはどんどん入れ替わるし、やっていることは毎年そう変わらない筈なのに。
この数年の時間の経過の中で、吹奏楽界全体としてアルフレッド・リード博士の音楽への理解が著しく進んだ、ということはあると思う。
私自身がその時間を生きてきた記憶において、そのことは確かに実感する。

「ヴィヴァ・ムジカ」はフェネル=TKWO。
ほとんど「ワルノリ」に近いような炸裂的な勢いにみちた演奏だ。
それまで、こんな解放的な演奏をTKWOから聴いたことはなかった。
1984年2月の録音。この年、フレデリック・フェネルがTKWOの常任指揮者に就任して、この録音がたしか一番最初の仕事だったのではないか。
何かを「解き放った」、歴史的な記録なのだと思う。
現在のTKWOの演奏は、この勢いの延長線上にあると感じる。

実は私がこのCDを入手した最大の理由はもしかしたら、もう1曲、マエストロ汐澤安彦指揮の「小組曲」、かもしれない。
以前に聴いてとても印象に残っていた演奏で、サウンドの確立のされ方といい、厳密だけどそれでいて生き生きとしたリズム感といい、申し分ない。
同じTKWOの作曲者自演盤と、もう1枚某プロ吹奏楽団のCDも聴いたことがあるけれど、どちらの演奏もこの汐澤盤の完成度には及ばない。
TKWOはフェネルの就任前からずっと、汐澤さんの指揮で毎年、新譜集のレコードを出していて、そこでもやはりこういう格調高いサウンドをいつも聞かせていたので、「フェネル就任後のTKWOはこういう上品な音がしなくなったなあ」と思ったものだったけれど、実はこれは昔のTKWOの音、というより「汐澤さんの音」、なのかもしれない。

汐澤さんという方は、評判は様々あるようだけれど、私にとっては35年の音楽生活の中で接したり見たりしたあらゆる指揮者のリハーサルの中で、最も感動的なリハーサルを眼前させてくれた人であるので(2006年の「音の輪コンサート」)、無条件に尊敬している。

« 輪(CIRC)になって踊ろう | トップページ | SAX EXPO »

新着音盤」カテゴリの記事

コメント

先年の6月に、読売日本交響楽団の演奏で"Armenian Dance Part1"管弦楽版を聴きました。大変素晴らしい演奏でした。吹奏楽版と違い、弦楽器が加わると艶っぽいといいますか!?バランスがよくなるというか?程良くなる感じなのですよね。勿論、Sax,Euphoniumがなくなるで淋しくはなるのですが。是非、Saxも編曲に入れた管弦楽版を聴いてみたいのですが。

6月の蒲田アプリコですね。行かれたのですね。
私も聴きたかったのですが何かの都合で行けませんでした。

リード作品は、それ以外にも別の編曲者でいくつかのオーケストラ版がリリースされています(オセロ、春の猟犬、エル・カミノ・レアル等)。
こちらは東京で演奏されたことはまだないようですが、聴いてみたいものです(こちらにもサクソフォンは含まれません)。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 輪(CIRC)になって踊ろう | トップページ | SAX EXPO »