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2010.01.16

「愛国心」のありよう…シティフィル新春定期

TCPO, 100115東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 第235回定期演奏会-フランス音楽の彩と翳Vol.16「麗しのマリアンヌ」(東京オペラシティ・コンサートホール)

J.マスネ/管弦楽組曲第7番「アルザスの風景」
V.ダンディ/フランスの山人の歌による交響曲Op.25(Pf:相沢吏江子)
A.マニャール/交響曲第4番嬰ハ短調Op.21
 指揮:矢崎彦太郎

今日(15日)は、私の仲間たちは同じオペラシティでも、リサイタルホールのほうに集結していたらしい。
でも私はこっちでした。
この曲目なら、そうでしょう。

矢崎&シティフィルの恒例、フランス音楽シリーズ。
今回はフランス音楽といっても、日本での一般的なイメージからは少し外れて、革命と戦争が繰り返され、王政と共和制の間を揺れ動いた激動の時代としての19~20世紀のフランス、という観点からの選曲ということだ。
戦争のたびにドイツ領とフランス領を行ったり来たりしたアルザス地方を描いたマスネ。ドーデの「最後の授業」からも題材を得ている(曲の終わり近く、唐突に軍隊の行列が通りすぎるのが聞こえる)。
激動の時代にあって、田園の風景と民衆の歌にすべての安息と芸術的源泉を見出したダンディ。
そして、アルベリック・マニャール(1865-1914)の交響曲が聴けたのが、今日の最大の収穫だった(マニャールは、第一次大戦中、自宅に侵入したドイツ兵と銃撃戦のすえ亡くなった人だそうだ)。
今回の演奏会のタイトルの「マリアンヌ」とは、「自由の女神」のこと。
「共和制フランス」を象徴するというか、そのものを擬人化した女性ということだ。
今日の3人の作曲家の3つの曲は、それぞれの流儀で、マリアンヌ(=フランス)への忠誠と愛を宣明した音楽ということになるのか。

演奏は、マスネとダンディはちょっと力入りすぎてうるさい感じになっちゃったけれど、休憩後のマニャールは本当に良かった。
曲が始まった瞬間から、見ちがえるように方向性のある冷たく締まった音が聞こえてきた。よほど気合い入れて振ったか、練習量が違ったのか。
決して親しみやすいメロディが並ぶ音楽ではないけれど、ワーグナーぽい響きを基本にした、高潔で厳しくも気高い雰囲気は、他の曲には代えがたい魅力がある。
終楽章、勝利の凱歌が高らかに、しかし厳かに歌い上げられ、それが静かに収まっていく終結部分には、ちょっと感動しましたよ。

ジャン・フルネが生前、機会があったらマニャールの交響曲を是非東京の聴衆に紹介したい、と語っていたのを聞いたことがあって、もうそれは叶わないことなのかなあ、と思っていたけれど、はからずもこうして聴くことができて嬉しい。
これからもういちどCDで聴いてみよう(ミシェル・プラッソン指揮トゥールーズ・キャピトル管弦楽団、EMI)。

…終演後の熱い拍手を聞いていると満員の気分だけれど、実際の客入りはあんまり良くなかった。
見ため4割以下、ということは実際には2~3割だろう。
客が入らないのでシリーズ中止、なんてことにならないといいんだけど(切実)

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