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2010.01.08

新春の新着CD

ちょっと前に届いた、マルク・ミンコフスキ指揮ルーブル音楽隊(les musiciens du louvre)によるビゼー「アルルの女」&「カルメン」のCD(naive)。

minkowski, bizet

見てのとおり、ハードカバーの本みたいなずっしりした外見。
ゴッホ、ゴーギャン、そしてフランシス・ベーコン(1909-1993)にジョアン・ミッチェル(1926-1992)といった人の絵画をふんだんに配して、まるでCD付きの画集のような趣である。

ミンコフスキといえば、ルーブル音楽隊との昨秋の来日公演が大評判で、私も行きたかったんだが、スケジュール過密の時期につきやむなく諦めたところだった。
一応「ピリオド・アプローチ」(その曲が作曲された当時の響きを追求する)の人、ということになるんだろうけれど、ありがちな教条主義的なピリオド屋さんとはひと味ちがう柔軟な感性の持ち主だと思う。
ミンコフスキで検索してみると、こんなインタビューを読むことができる。
今までに読んだことのある、いろいろなピリオド系音楽家の意見表明の中でも、最も率直に納得できるものだ。
「ヴィブラート・テロリスト」という言い方には快哉を叫んでしまった。そうなんだよ、弦楽器からヴィブラートを取り去ってバロックティンパニをドカドカぶっ叩きさえすれば「その時代の演奏」になる、というような安易な考え方には辟易していたところだったから。
世の一般的なピリオド屋さん達にはワタシゃ言いたいことが山ほどあるんだけれど、今日はやめておきます。

ここでの「アルルの女」は、4曲ずつの通常の2つの組曲の間に、ビゼーの書いたオリジナルである小編成の劇音楽版からのナンバーをいくつか配して(合唱も加わる)、この「アルルの女」という音楽を、時代的にも音楽的にも多層に楽しめる仕掛けになっている。
とても生き生きとした、自由闊達な演奏が聴ける。
いわゆる「古楽器」のような独特の癖はあまり感じない。普通のリスナーでも違和感なく聴けると思う。

オーケストラのメンバー表が載っているけれど、ウチにもう1枚あるラモーの作品集とは、同じ「ルーブル音楽隊」でもずいぶんメンバーが違う。
1回1回メンバーを集めるオーケストラなのかもしれない。
サクソフォンはクラリネットと持ち替えで、François Miquelというクレジットがある。
たぶん「クラリネットと持ち替え」ということが考証的に「当たり」なのだろう。
ヴィブラートは少なめながら、現代のフランスのサクソフォンの音とはずいぶん違ってゆったりとおおらかで、イギリスのサックスのような雰囲気もある。

Seejungfrau

ツェムリンスキー(1871-1942)の交響詩「人魚姫」といえば、ちょっと前までは知る人ぞ知る秘曲、というイメージだったけれど、最近ではCDもたくさん出てずいぶん有名になった。
ドビュッシーの調味料をふりかけた後期ロマン派、とでも言うようなとても美しい音楽で、ワタシが好まない訳がない。
日本初演は若杉弘指揮の都響だったそうだが、私は定期会員になる直前のことで惜しくも聴いていない。
数年前、エマニュエル・クリヴィヌ指揮のN響ではじめて聴いて、とても感心し、以来愛好する曲のひとつ。
ついに(やっと)、NaxosからもCDが出た。ジェイムズ・ジャッド指揮ニュージーランド交響楽団。
いい意味で日本のオーケストラに似ている。整った演奏だ。

petit trianon

4月に、京都フランス音楽アカデミー講師陣による室内楽演奏会というのを聴くことになっている。
フランスの一流演奏家による、滅多に生では聴けないフランス室内楽の名品が聴けるコンサートで、毎年楽しみにしているんだけど、今年のメインプロがサン=ジョルジュの協奏交響曲という知らない曲だった。
どうやらモーツァルトの同時代の人だそうで、CDを探してみたところ、昔LPレコードの時代に、Eratoの「空想の音楽会」という名前のシリーズで発売されていた、バロック時代のヨーロッパ各地の王宮でのコンサートを模したオムニバス・アルバムの1枚に入っていて、CDにもなっていることが判明したのだった。
CDはとっくの昔に廃盤になってしまっていたけれど、うまい具合にAmazonのマーケットプレイスで、非常に状態の良い中古を安く入手することができた。
題して「小トリアノン宮(ヴェルサイユ宮殿)における王妃マリー・アントワネットのための音楽会」。
ゴセックの2台のハープのための協奏交響曲、サン=ジョルジュ、ショーベルト(1740-1767。シューベルトに非ず)のクラヴサン協奏曲。パイヤール室内管。

いやー、「典雅」という言葉はこういう音楽のためにあるんじゃないか。
年明け早々からめでたい。

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コメント

いつも貴重な情報をありがとうございます。
フランス音楽アカデミー、本業の都合がつけば(ちょっと危ない時期ですが)、京都の方を聞きに行くつもりです。
 
サン・ジョルジュの音楽ですが、昔(1970年代末だったか)、カントロフがArionレーベルに何枚か録音しておりました。
 
たしかヴァイオリン協奏曲とかソナタとかで、協奏交響曲はERATO盤しかなかったように思います。

斉諧生さま

コメントありがとうございました。
本年もよろしくお願いいたします。

サン=ジョルジュの音盤、探せばいろいろあるものですね。
最近、どこぞのレーベルで協奏交響曲全曲?の録音プロジェクトも始まったようですが、このOp.13は未だのようです。

TVでやるようです。(ご存知でしたかな?)
http://www.operacity.jp/topics.php?number=223
マルク・ミンコフスキ指揮 ルーヴル宮音楽隊
NHK教育テレビ「芸術劇場」
2010年3月19日(金)22:30~24:45
ワタクシ、現場に居ました。まあ、もう、スゴかったッス。まるでロックンロールのようなノリノリのピリオド奏法なんて初めてでした。観たら聴いたら必ずThunderさんもこう思うはずです、「毎年来日してほしいっ!」と。えへへ。

地上波でやるんですか。それは見なければ。

舞台上に自転車に乗った人が出てきた、とか、ウワサはいろいろ聞き及んでいます。

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