デプリースト師、来演
東京都交響楽団 第691回定期演奏会(サントリーホール)
シューマン/ヴァイオリン協奏曲(Vn:イザベル・ファウスト)
ブルックナー/交響曲第7番
指揮:ジェイムズ・デプリースト
とっくに100回を超えている今年のコンサート通いも、いよいよ今日と、あとは来週の「第九」を残すだけ。
2009年最後の都響定期。
昨年の3月以来久々の、前・都響常任指揮者、デプリースト師の登場。
とてもいい演奏だったと思う。
とくに後半のブルックナー、ヒューマンで暖かい自然体の音楽には、思わず惹き込まれた。
勿論、細かいところはいろいろあったんだけど、まあ、それはさておき。
「7番」は、ブルックナーの中では聴きやすい曲ですね。
(最近も書いたような気がするけれど)実演で聴く機会も多い。朝比奈隆センセとは二度も聴いたし(うち一回は都響との最後の共演だった)。
終演後は、ちょっとびっくりするほどの盛大なブラヴォーの嵐。
今日はLAというブロック(ステージの真横・後ろ寄り)で聴いたので、斜め正面からデプさんの指揮を見ることになったんだけど、普段は手旗信号のように簡潔な棒を振るデプさん、この曲ではかなりロマンティックな、ある意味「無駄の多い」振り方をしていたのが興味深かった。
前半シューマンの協奏曲は…うーん、ちょっと渋すぎました。
あまり演奏されないし、実際初めて聴いたのだが、まあ、あまり演奏されないのも無理はないというか。
3楽章はかなり気が遠くなりました(苦笑)
オーケストラの、いかにもシューマンぽい暗くロマンティックな響きは良かったんだけど。
ソリストも実に真摯で集中した演奏で、たいへん好感度高かった。派手な感じでは全然ないけれど、巧いし、音もきれい。重音の音程がとても正確。
この人の例えばベートーヴェンの協奏曲とかを聴いてみたい。
先週のことだけれど、みなとみらいホールでモーツァルトの「ジュピター」とホルストの「惑星」、というプログラムも聴いた。
これまたやはり、「ヒューマンで暖かい」演奏が素晴らしかった。
こういう屈託のない明るい、しかも模範的に整ったサウンドは、まるでアメリカの地方オケの音をイメージさせる。
私にとって「惑星」という曲の刷り込みは、今から31年前に買った、ズービン・メータ指揮ロサンゼルス・フィルのレコードだったので、こういう方向性にはとても親和感を感じるものだ。
…うーん、やっぱりデプさんいいなあ。
1年に一度くらいは来てほしいものだ。
なにしろ車椅子に乗られているくらいで、長距離の移動が大変なのは分かるんだけど。
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