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2009.12.04

junge Zeder

最近いちばんよく聴くCD。
この7月に亡くなった指揮者・若杉弘氏の追悼盤として発売された、「若杉弘=シュターツカペレ・ドレスデンの芸術」と題する3枚組(SONY)。
80年代、若杉氏がドレスデンの常任指揮者だった時代に、CBSソニー(当時)に録音した3枚のレコードを再集成したものである。

Wakasugi in Dresden

ワーグナーの序曲集(オランダ人、タンホイザー、リエンツィ、ローエングリンの1幕と3幕)、ベートーヴェンの「英雄」、マーラーの「巨人」。
あの名門、シュターツカペレ・ドレスデンを指揮してこんなレコードを作っただなんて、それだけでも夢のような話だ。
もしオレが指揮者だったら、そんなことが実現したらもういつ死んでもいい、と思うだろう。

素朴で明るい弦、力強くも渋い金管(ホルンが素晴らしい)、全体にいかにも「ヨーロッパの歌劇場」という独特の空気感。何度か実演に接して驚嘆した記憶のある、このオーケストラの無二の魅力をよくプロデュースしている。
とてもよく流れる、かろやかな演奏だ。ドイツ的というよりは、日本人好みの流れ方ではあると思う。
でもこの清新さは、いまではどこのオーケストラと指揮者の組み合わせでも、求めるのは難しいものかもしれない。

マーラーだけは千円/1枚の廉価盤シリーズの中で既に出ていて、好きな演奏だったが、妙に不自然な、電気で付けたような残響が気になっていたんだけど、今回のCDにはそれが一切なく、とても自然な響きになっていた。
「エロイカ」も素晴らしいけれど、一番良かったのはやはり、ワーグナーだ。
ドレスデンに所縁のある、ワーグナーの若き日の作品ばかりというのも、この演奏によく似合っている。
若杉氏がドレスデンの常任指揮者に就任した頃の話だろうか、ドイツ在住のある日本人記者が、現地のドイツ人の音楽記者だか評論家だかに、
「Wakasugiとは日本語ではどういう意味か」、
と訊かれたので、
「junge Zederだ」(Zederはヒマラヤ杉のこと)、と答えたところ、件のドイツ人、
「junge Zederか!そのものじゃないか」
ととても感嘆した、という記事を昔読んだことがある。
まさに、junge Zederである。
若杉氏49~51歳のときの録音。
その記事を読んだのはもう20年以上前だけれど、いまやワタシ自身が、ほぼそのときの若杉さんの年齢なんだよなあ。
時間というものの無常さを実感することだ。

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