インバル月間~マーラー4番
東京都交響楽団 第688回定期演奏会(サントリーホール)
ラヴェル/シェエラザード
マーラー/交響曲第4番
半田美和子(Sp)
指揮:エリアフ・インバル
インバルが来たあ!
待ってました、という気分。
早々に全席完売となった、今年唯一のインバル=マーラーの演奏機会。
1曲め、ラヴェルのシェエラザード(歌曲集)。
昨年聴いたインバルのラヴェルと同じ傾向の、鮮やかな色彩で輪郭のはっきりしたサウンドを楽しんだ。
半田さんはとっても普通にきれいなおねーさんで、声もとても清楚な美声なんだけれど、できればもうすこし小さなホールで聴きたい方だ。
休憩後の「4番」は、インバル節(ブシ)炸裂。
1楽章なんか伸縮自在、ここまでやるかという感じの奔放なルバート。よくこんなにぴったり付いていくよなあ。一転して中間部は速めのテンポでストレートにずんずん進んでいくところが、この曲の不思議なキャラクターを浮かびあがらせる。
あとは3楽章が普段の都響(に限らず、日本のオーケストラ全般)ではなかなか聴けない独特の甘く艶やかで匂うような音色で、ドイツのオケみたいだった。今日一番の感銘かも。
音量が落ちていってもハーモニーのバランスが崩れないところは、演奏する立場としての感心。
終わり近く、金管とティンパニが突如として大歓声を上げる場面で、しずしずと半田さんが舞台袖から入場。インバルお得意のやり方だ。客の拍手で緊張感が途切れないための工夫。
そのわりには2楽章のあと一度(インバルが)引っ込んじゃったのは何だったんだろう?
まあいいけど。
先日、私たちのアンサンブルでの新日フィルW先生のレッスンで、「お客さんの緊張感が緩まないように引っ張り続けろ」、というアドバイスをいただいたのだが、そういう意味でインバルという人はものすごい「牽引力」(緊張の)を持った人だなあ、ということを実感する。
来週のブルックナーはどうなるかしら。楽しみ。
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