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2009.11.11

「オーケストラ芸術」の精粋…ソヒエフ&トゥールーズ

Orchestre national du capitole de Toulouse, 091110フランス国立トゥールーズ・キャピトル管弦楽団(サントリーホール)

ドビュッシー/牧神の午後への前奏曲
ブラームス/ヴァイオリン協奏曲(Vn:諏訪内晶子)
ムソルグスキー(ラヴェル編)/組曲「展覧会の絵」
 指揮:トゥガン・ソヒエフ

今日(10日)は私の仲間たちは浜離宮に行ったかたが多いと思うけれど、私はサントリーでした。
奇蹟のような素晴らしい演奏会だった。
オーケストラという、高度な技量と習熟の裏付けを伴う職人芸としての面と、お国柄や民族性をストレートに反映する伝統芸能としての面と、耳と心に快い娯楽としての側面をすべて高いレベルで併せ持った、これこそが「オーケストラ芸術」だ。

トゥールーズ管は、前任者ミシェル・プラッソンの指揮で何十枚ものフランス音楽の録音を聴いてきたし、来日公演も二度聴いた。とても素敵なフランスのローカルオーケストラ、という印象だった。
でも今は、若き音楽監督ソヒエフの下、とてもとてもそんなもので済むところではない。

牧神。
豊潤さと洗練を100%保ったまま完璧にコントロールされる音量とバランス。なんと官能的な音。なんと儚く消え去る音。
パリのオーケストラでもこんなの、聴いたことがない。
ブラームスもなんと明るく、なんと魅力的な音だろう。北ドイツの煉瓦造りのブラームスではなく、陽光の下、緑の草原の中で風に吹かれるようなブラームスだ。
2楽章のオーボエの輝かしく艶やかなソロと、独奏ヴァイオリンと、伴奏オケとの夢見るようなコンビネーションの妙。(オーボエのトップ奏者は休憩後交代したけれど、前半の人のほうが断然上手かった)
このオケと指揮者の組み合わせで、ブラームスのシンフォニーを聴いてみたい。2番なんか最高に良さそう。
休憩後の「展覧会の絵」。
このオーケストラの昔からの特徴である、フランスのローカルオケらしい明るくザワザワした音色を残したまま、一転して粘りのある強大なロシア的サウンドが炸裂した。
「展覧会の絵」を聴いて、心底感動した、なんて経験はいったい何十年ぶりだろう。
それにしてもこのソヒエフという指揮者はいったい何者なんだ。展覧会の絵の冒頭の「プロムナード」1曲だけで、既にひとつのドラマを創ってしまうのですよ。
これほどの実力を持ちながらまだ32歳とは。

アンコールに、くるみ割り人形の「パ・ド・ドゥ」。慟哭のようなチェロ群の下降音階!
スヴェトラーノフがN響を振った生前最後の来日の最後のコンサートのアンコールがやはりこれで、強く印象に残っていたのだけど、それとて今日の演奏の前には影が薄い。

間違いなく、今年一番のコンサート。
今年の、どころではない。
「オーケストラ」というものを意識して聴きはじめて30年以上、これ以上の印象を残した演奏って果たしてあったのか?と、定かならぬ記憶を探っている。

覚書。「展覧会の絵」のサクソフォンはPhilippe Lecocqという人が乗っていた。
(追記)あとから気がついた。ディアステマQ.のソプラノの方だ。

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コンサート(2009年)」カテゴリの記事

コメント

パ・ド・ドゥ
ほんとに、ほんとに感動しました。
私は諏訪内さんが楽しみのメインでしたが、当夜の最高の感動は、パ・ド・ドゥでした。感涙。
このコンサートは総じて、とても良かった。

この日記を読んだ後、気が付いたらe+で12日オペラシティのチケットを買ってました。Thunderさんがこれだけ冷静さを失った上で、理路整然と褒めちぎっているオケって一体...?
いやはや、Thunderさんに感謝。聴き逃すトコでした、こんなスゴいオケ。
アンコールはトレパック、愛の挨拶、カルメン第1幕への前奏曲、ドヴォルザーク/スラヴ舞曲1番、と4曲! 休憩時間中に既にバスドラとシンバルがセットされていました。だから気になって気になって、アンコールは何やるんだろう?、って。ただ、さすがに「何曲やるんだろう?」とは思いませんでしたが。えへへ。

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