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2009.10.07

シャルリエ(Vn)とシンフォニエッタ静岡のCD

SSJ, 090927もう10日も前のことになってしまったが、9月最後の日曜、友人の指揮者中原氏のオーケストラ、シンフォニエッタ静岡を聴きに、年に数回恒例の静岡まで往復をしてきたところ。

その日の夜は東京にトンボ帰りして、私が地元で関わっている演奏系企ての決起集会のようなものに出席してひとしきり騒ぎ、そこで引き受けた仕事を今までずっと引きずっていたもので、なんとなく日記を書きそびれていたんだけど、ちょっと書きたくなったので、遅ればせながら書いてみる。

会場は東静岡駅前のグランシップ
今回はいつもの中ホールではなく、別の平土間型のホール。
室内楽演奏会ということで、寧ろこの会場で良かったかもしれない。
メインプロのシェーンベルクの管楽五重奏曲は、延々45分間にわたって倦むことのない雄弁な外国語での演説、というか説教(笑)を聞かされるかのような強力きわまりない曲で、さすがのThunderさんも途中少し気が遠くなりました。
この曲では中原さんが指揮者として付いた。
演奏者5人の室内楽曲で指揮者が付くというのも珍しいけれど、実は意外とよくあることで、特にこの曲の場合はあまりにも難解過ぎて、拍を数えることに汲々となっているだけの演奏になってしまいがちでもあり、指揮者(というか、カウント係)を置くというのはひとつの考え方だろう。
前半は得意のフランス物プロ。
こんなところで立花千春さんのフルートが聴けるとは(しかも、目の前ほんの数メートルで)思っていなかったので、ちょっと嬉しかった。

SSJ, CD

会場で入手した、シンフォニエッタ静岡のオリジナルCD。
他にも2枚ばかり発売になっていたが、まずはこれを購入。
なんと、あのオリヴィエ・シャルリエ(Vn)の十八番、サン=サーンスの3番のコンチェルトのライブ録音である。今年3月の定期公演のライブ(私も聴いた)。
パリ音楽院の現職教授で、世界最高のヴァイオリニストのひとりでもある方をつかまえて、サン=サーンスが十八番というのは失礼に当たるような気がしなくもないが、でも本当のことなんだから仕方がない。
この曲を、真のマスターピースであるという確信のもとに聴いた経験は、過去に幾つかのオケで接したシャルリエの独奏のときだけだ、と断言していい。
その印象は、このCDでも変わらない。
こんなところでそんなCDが出ているなんて、知っている人はあんまりいないだろうから、これはご紹介せねばなるまい。

カップリングがポール・ラドミロー(1877-1944)の交響詩「ラ・ブリエール」、というのが渋い。
このときの演奏会の前プロだった。中原さんが機会あるごとに演奏している曲でもある。
寂しい風景~エルビニャック村の定期市~春~夕べの牧歌~伝説(トリニャックの鍛冶屋)、という5曲からなる、前にも書いたように、ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」をヴォーン=ウィリアムズ調にしたような、なんとも素敵な響きのする作品である。
たぶん世界で二番めの全曲録音。

オーケストラは、なにしろ弦の人数が少ないので音の厚みは無いけれど、コンディションはまずまず。
現代のフランスの小編成の地方オケと共通するような、素朴な雰囲気の音だ。

サン=サーンスの後は、「ツィゴイネルワイゼン」、そしてアンコールで弾かれたフォーレの「子守歌」(オケ伴)。
シャルリエ氏、アンコールまで弾いた上に、3月の実際の演奏会ではこの後、休憩を挟んでリムスキー=コルサコフの「シェエラザード」のソロまで弾いていたのである(この時のシェエラザードもライブCDが同時発売になっている)。
このクラスの演奏家としては、なんというサービス精神旺盛な方であることか。

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コメント

そのCD買わなきゃ!

先月末の演奏会、中原氏に誘われていたのに地区体育祭に出なくてはならなくて
聴きに行けなかったのが心残りです。

スコアを見せてもらったけど、指揮がないと合わせるのも難しい曲だけに、ホント聴いてみたかった…

>たろ~ちゃん

おっと、ご無沙汰です。

一瞬、意外な人がコメントを…と思いましたが、よく考えたら意外でも何でもありませんでした。

中原さんのオケは、オーケストラといいながらこうやって微妙に管楽器に偏っているところが面白いです。

いつか会場でお会いできたら楽しいですね!

シンフォニエッタ静岡は地方オケとは思えない思い切った選曲でかねてから興味は持っていたのですが、いかんせん遠いので行くことが出来ませんでした。CDが出ていたとは! しかもラドミロー!
早速注文しました。

どうもご無沙汰です。

roi ubuさんのような「盤鬼」の方が興味を持たれたとは、ご紹介した甲斐があった、というものです。

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