プレヴィンのN響
NHK交響楽団 第1655回定期演奏会[Aプログラム](NHKホール)
W.リーム/厳粛な歌
R.シュトラウス/歌劇「カプリッチョ」から 最後の場(Sp:フェリシティー・ロット)
同 /家庭交響曲
指揮:アンドレ・プレヴィン
土曜日の2本め。
すみだトリフォニーホールをあとに、地下鉄半蔵門線に乗って渋谷へ。
2001シーズンの頃までBシリーズの会員だったけれどその後ご無沙汰していた、N響の定期会員に久々の復活、初のコンサート。(9月は早速聴けなかった)
なにしろプレヴィンであるので、これは良い演奏会になるのは約束されたようなものだ。
実際、何の心配も要らず、久しぶりのN響の精緻なアンサンブルを楽しんだ。
今年80歳のプレヴィン氏、ステージに登場したときは足を引きずりながら(脚がうまく曲がらないような感じで)ゆっくりと現れ、指揮台の上の椅子に苦労して腰かけていたので、始まる前はかなり心配したのだが、いざ音が出てくれば、流麗で的確な上半身の動きには何の衰えもなく、一安心。
ウォルフガング・リームの「厳粛な歌」は、編成にヴァイオリンが無く、ステージ上のヴァイオリンの位置に木管群がいるという不思議な編成。
曲も、後期ロマン派風の音楽の上からわざわざ不協和音の装飾を振りまいたような、これまた不思議な感触の音楽だった。
2曲めからのシュトラウスは、プレヴィンの本領発揮。
「カプリッチョ」では、晩年のシュトラウスならではのなめらかで渋く輝くような響きを楽しんだ。
「家庭交響曲」は今年自分でもやったくらいで、楽しみにしていたが、こちらもエキセントリックなところの全くない、正攻法そのものの演奏だった。
響きは軽く整理され、アダージョは「速っ、」と思ってしまったくらいさくさくと進み、最後のプレストはさほど急がない。
物足りないという人ももしかしたらいたかもしれないが、この大層な曲を、このNHKホールという会場で、こんなにすっきりと見通し良く仕上げる技には、なんだかんだ言っても率直に感心する。
サクソフォンを使っていなかったところが、唯一の不満。
プログラム冊子中の編成表にすら書いてないとは、いったいどういうことだ。
スコアくらいちゃんと見て解説は書きなさい。
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