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2009.10.31

江川さんふたたび

091029江川良子/サクソフォン・原田恭子/ピアノ デュオ・リサイタルvol.2(SPAZIO2

パスカル/ソナチネ
デザンクロ/プレリュード、カデンツァとフィナーレ
マントヴァーニ/霧雨の狂
サン=サーンス/オーボエソナタOp.166
フォーレ/ヴァイオリンソナタ第1番

昨夜(29日)の話。
ふたたび、と言うからには、当然一度めがあるわけで、それはこちら
くだくだしい話は全部そこに書いていて、その件に関しては付け加えることはないので、あとは今日の演奏を楽しみに聴いたという、それだけ。

ここのところちょっと異常なまでのペースでコンサートに通いまくっていて、とくに今週は半年、あるいはもっと前から前売り券を買っていたコンサートが他に3つも入っており、今日は厳しそうだなあ、と思っていたけれど、やっぱり江川さんのフォーレは聴きたかったし、なんとか6時半くらいには職場を出られたので、それーっとばかりに恵比寿へ向かう。
初めての会場。開演ぎりぎりに駆け込む。
すりばちの底に舞台があるような不思議な造りの空間だった。

江川さんの音楽は、なんというか、とても「大人」だなあ。
パスカルやPCFみたいな、いろいろなことが起こる曲でも、とても抑制が効いていて、浮足立ったところがない。
そしてまた、まさかブルグの演奏を聴いてしまった次の日にサン=サーンスを聴くことになるとは思ってもいなくて、正直どうなるかしらんと思っていたけれど、これがまたなんと立派に「私たちのサン=サーンス」、であったことか。

サン=サーンスは私も吹いてみたい、と改めて思った。
実は15年くらい前にちょっとだけ取り組んでみたことはあるんだけど、今吹いたらまた全然違う風景が見えそうな気はする。

最後は、フォーレの第1ソナタ。
演奏時間30分(!)。ヴァイオリンの曲なので休み無しの吹きっぱなし。しかもソプラノ。フラジオの嵐。
ただでさえ長くてきつい上に、たとえばフランクのソナタみたいにドラマティックで最後はちゃんと解放される、というのとも微妙に違うので、作りにくいんだろうなあ、とは思うけれど、そこを最後まで持たすところが江川さんの音楽性だ。
それにしてもあの細身の身体のどこにこんな持久力があるんだろうか。
考えてみたら、長距離のアスリートというのはみな痩身な方々ばかりなのだし、理にかなっていることなのかもしれない。

アンコールに「夢のあとに」。
涙で曇った微笑みのようなせつなさ、という言葉があるけれど、リアルにそうでしたね(笑)
お疲れさまでした。

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