餅は餅屋…シンシナティ響
NHK音楽祭2009-シンシナティ交響楽団(NHKホール)
コープランド/庶民のためのファンファーレ
バーバー/弦楽のためのアダージョ
バーンスタイン/「ウェストサイド・ストーリー」より シンフォニック・ダンス
ドヴォルザーク/交響曲第9番「新世界より」
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
アメリカのもうひとつのCSOこと、シンシナティ交響楽団(Cincinnati Symphony Orchestra)。
今回このNHK音楽祭のおかげで、外来オケにしては安く聴くことができた(3階席の一番前で5000円)。
NHKホールでの公開録画のようなものなので安い、ということなのだろう。
でも、とてもいい演奏だった。
とても落ち着いた、すっきりした音色のオーケストラだ。
オーケストラは木管も含め全員舞台上に勢揃い状態で、金管のみ立奏でコープランドのCommon Man(このオーケストラの委嘱で書かれたのだそうだ)、弦のみでバーバーのアダージョ。
金管は最初、そんなに大きな音に聞こえなかったけれど(会場のせいもあるけれど)、音が割れないレンジがとても広いためデカイ音に聞こえないだけで、実は相当に鳴っている。
「ウェストサイド」では、炸裂。
といっても、全く無理なく、軽々と鳴らしている。
日本のオーケストラでのこの曲の演奏というと、頑張ってるなー、とか、おーやってるやってる、とか、ノリが悪いなー、とか、いろいろなことを感じながら聴くものだけど、ここではもう何もかもが全然「普通」なんですよ。響きやアタックに余計なものが何も付いてこないというか。
「ストレスのない音」というのは、こういうのを言うんだな。
そういえば、アメリカのオーケストラで生で「シンフォニック・ダンス」を聴くのって、初めてだった。
で、タイトルの通りの感想となるわけです。
餅は餅屋。
洗練の極致のような「新世界より」の後、アンコールに「キャンディード」序曲。
快速。
こんなぶっ速いテンポでもやはり、全く無理のないスピード感と見通しの良さ。(「テンポ」と「スピード」って違うんだな、と実感。)
中間部のメロディが、あっココって7拍子だったんだ、ということがすっきりと判る持っていき方。
どこまでがオーケストラの地力で、どこまでが指揮者の力量なのか、よく判断がつかないけれど、そのくらいに両者の相性がよいということなんだろう。
今回、サントリーホールの公演の曲目に「ラプソディ・イン・ブルー」があるからか、3人のサクソフォン奏者が同行している。
プログラムによると、James Bunte、Stephen Hoskins、Jeremy Longという名前。
「ウェストサイド」に乗っていたのが誰かは判らない。
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東京の某大学オケでコントラバスを弾いている高校の後輩によると、東京文化会館でのラフマニノフでは第2楽章で弦と管が1拍ずれて一瞬崩壊したそうです。
まあ、ステージでは何があるかわかりませんからねー。
投稿: frosch | 2009.10.28 22:59
というか、何事もないライブというのは、ほとんど無いですね。
実はこの日も多少ちょっとありましたが、別にその程度のことがあるのは当り前のことですし、演奏の本質には関係ないので、特段あげつらう気にはならないです。
投稿: Thunder | 2009.10.29 02:04