モーリス・ブルグ2009, Tokyo
ブリテン/世俗的変奏曲
サン=サーンス/動物の謝肉祭より「白鳥」
シューマン/アダージョとアレグロ
サン=サーンス/オーボエソナタOp.166
ドビュッシー/ベルガマスク組曲より「月の光」
同 /子供の領分より「グラドゥス・アド・パルナッスム博士」「ゴリウォッグのケークウォーク」
パヴェル・ハース/オーボエとピアノのための組曲Op.17
Ob:モーリス・ブルグ、Pf:野平一郎
モーリス・ブルグである。
御歳70の、音楽の化身。
今年もっとも楽しみにしていたコンサートかもしれない。
オーボエの音なんだけど、オーボエの音じゃない。
中身がぎっしりと詰まって今にも溢れ出しそうな、金やプラチナのように比重の高い音。
これに比べたら、オレのサックスの音なんか発泡スチロールみたいなもんだ。
プログラムの最初と最後は、比較的なじみのない晦渋な曲だったので、より音そのものに注意が向けられたように思った。
サン=サーンスが聴けた。
21年前にたまたま買ったこのCDが、(パリ管のレコードを通じてそれと知らずに耳に入っていた)モーリス・ブルグという音楽家との出会いだった。
感慨深い、なんていう月並みな言葉ではとてもすまされない。
何かがぐるっと自分の中で円環を描いて閉じた気がした。
このCDはブルグ36歳、1975年の録音である。
その34年後の今、同じ人物による同じ曲のこのような見事な実演を聴くことができたというのは、ほとんど奇蹟に等しいことのように思われる。
ドビュッシーは、なんと野平さんの独奏(!)。
豪勢なおまけが付いてきた、という感じ。
…
8時半にはプログラムはすべて終了。
比較的短く集中したコンサートだった。
アンコールはただ1曲、シューマンの『ミルテの花』(歌曲集)より、「献呈」。
うわあ、やられたなあ。こう来るとは思わなかった。何という渋さ。
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聴きたかった・・・
投稿: おとう | 2009.10.30 22:27
聴きたくても叶わなかった方のぶんまで、聞きとろうと思っておりました。
でも、どこがどうだなんて瑣末なことは、とても書けません…
投稿: Thunder | 2009.11.01 01:47