レッスン→コンサート
土曜日。
午前、池袋にてS藤さんのイベールのレッスンを受ける。
在ヨーロッパの音楽家として一種の緊張した生活を続けている中、たまに日本に帰国してゆっくりしている時に、大変な仕事をお願いしてしまって全く、申し訳ないとは思いつつ。
いろいろ有益なサジェスチョンを戴くも、まだまだやることは果てしなくある。
1ページめなんか、メトロノームのテンポをがーっと下げて、なおかつ裏拍でビートを打つ状態にして、一からやり直し状態。
「この曲はホント、基本からじっくりやる以外にどうしようもないから、」と。
イベールというのは、手強い相手だ。
決して演奏者を(一瞬たりとも)遊ばせてはくれない。
息が入りきってないとか、左手が弱いとか、普段はなんとか誤魔化している自分自身の演奏上の弱点の数々が容赦なく露わにされ、演奏の崩壊に即時に直結する。
うーむ。
あと2週間弱だけれど、行けるところまで行くしかない。
終わった後、レッスン料を渡すのを忘れてしまいました(爆)
池袋駅で別れた後で気付いて、すみません、後で郵便で送りますとあわててメールする。
スタジオの利用時間ぎりぎりになってしまい、終わり間際かなりバタバタしていて、そういう時には忘れる確率が高いです(苦笑)
まあ、この曲でレッスンを受けるというのは、まさに修羅場ですわ。
8年前(もうそんなになるのか!)にK師匠のレッスンを受けた時は、あまりにもワタシの出来が悪くて時間切れになってしまい、「もう1回来なさい」ということになって、上福岡の某大学までスクールバスに乗って行ったもんでしたよ(学生のレッスンの合間の時間をとっていただいたのだ)。
いやはや。
恒例青梅まで往復の後、再び池袋に舞い戻って、夕方はコンサートを聴く。
東京交響楽団特別演奏会 シュトラウス一家の音楽会(東京芸術劇場)
Sp:幸田浩子
指揮:秋山和慶
ヨゼフ、エドゥアルト、そしてヨハン・シュトラウス1世2世の作品による、「こうもり」序曲で幕を開けて、ワルツ、ポルカの数々、オペレッタからの歌ナンバーいくつか、最後は「美しく青きドナウ」「ラデツキー行進曲」で終わるという、いかにもな名曲コンサート。
夏枯れの季節には、こういうベタな演目も悪くない。楽しいコンサートだった。
指揮が秋山さんというのが見物(みもの)でしたね。
オーケストラがこう弾けば最も自然に聞こえなおかつ弾きやすい、という状況を完璧に先取りして、完全にその通りに振れるものだから、指揮の動作と出てくる「音」とあるべき「音楽」との間に、齟齬が全くない。
むしろ、指揮者なんか何もしていないんじゃないか、と思えてしまうくらいに。そんなことは全然ないんだけどね。
完璧な職人芸が、芸術に昇華したかのような見事さ。
幸田さんの歌も華があって、隅から隅まで楽しさにみちていて、とても良かった。会場の無粋な広さが勿体ない。
「雷鳴と電光」で楽員さん達がいきなり傘を差して演奏したり、番傘を回してその上で毬を転がして(笑)拍手を浴びてたり、「シャンペン・ポルカ」では客席後ろから現れた楽員さんが、通路を歩きながらシャンパンの小瓶をお客さんの何人かに配って歩き、曲の最後で舞台に上って秋山さんとコンマスと3人で乾杯!したりとか、楽しい演出にも事欠かず。
アンコールにポルカ「とんぼ」、そして「トリッチ・トラッチ・ポルカ」。
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