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2009.07.02

井上麻子・藤井快哉デュオ

20090630井上麻子(Sax)・藤井快哉(Pf)デュオリサイタル~サントリー音楽財団・第7回佐治敬三賞受賞記念(サントリーホール・ブルーローズ)

G.F.ヘンデル/ソナタ ホ短調「ハレ・ソナタ第2番」
クララ・シューマン/3つのロマンス
棚田文紀/ミステリアス・モーニングIII(サクソフォン独奏)
八村義夫/彼岸花の幻想(ピアノ独奏)
B.マントヴァーニ/霧雨の白熱
神本真理/キュービックグラデーション
A.デザンクロ/プレリュード、カデンツァとフィナーレ

ワタシとしたことが珍しくも、開演20分も前に会場に居ました(笑)
天変地異の前触れか。

神戸の井上麻子さんの、何度めかの東京での演奏を聴きに駆けつける。

とってもわかりやすい演奏だった。
いや、「わかりやすい」という言葉は、正確ではない。
ヘンデルでも棚田でも、聴いた端から、鮮やかに、誤解のしようもなく見えているという、そんな爽快さと明晰を備えた音楽だった。
この爽快さは、整体に行って身体をボキボキに揉みしごかれて、骨格の歪みをぜんぶ矯正し終えた後のようなスッキリ感に似ている。
この感覚はピアノの藤井さんの演奏も同様なんだけど、現れ方はおふたりで微妙に違うようで、演奏曲目の解説(これは佐治敬三賞の受賞理由にも挙がっていたのだが、プログラムに解説文というのがなく、すべて演奏者自身によるアナウンスで進行する興味深い流儀。最近このやり方は多いですね)での藤井さんの、八村作品の背景やご自分の経験についての思い入れたっぷりの喋りに対し、井上さんのほうはもっと直截で感覚的な掴まえ方がその言葉から感じ取れる。
マントヴァニの、「ファから始まって、いろいろあって、ファに戻って終わる曲です」、という簡明きわまりない解説には笑ったなあ。駅から家への道順を訊かれて「駅を降りて、歩いて行くと着きます」、と答えるようなラディカルな本質性がある(誉め言葉ですよ。笑)。
そういえばマントヴァニの作品自体には、この手の「現代音楽」にはとても珍しい「アレグロ」の感覚があって、井上さんの音楽性にとても似つかわしく思った。

藤井さんの「彼岸花の幻想」もとても良かった。
休憩時に同世代の友人と話したんだけど、何というか、「昔なつかしい」現代音楽だった。
三善や武満とほぼ同世代、どこか共通する「重さ」を引きずった流儀は、私の世代の人間にとっては、そう、こういうのこそが実感ある「現代音楽」だ、と思えるものがある。
私より一世代若い藤井さんがこの曲に惹かれるというのは、私の世代の人間の例えばメシアンやデュティユーのような20世紀初頭生まれの作曲家への共感に似ているかもしれない。

アンコールにガスパール・カサド「愛のことば」、ポンセ「エストレリータ」。
怒濤のような音楽の奔流を、押し流されそうになりつつも、カヌーで川下りを楽しむがごとくに堪能しました。

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コンサート(2009年)」カテゴリの記事

コメント

ご無沙汰しています。鹿児島の幸多です。
井上麻子ちゃんのコンサートへ行きたかったです。現実的に無理でした。(笑)

変わりに娘が行って堪能したようです。

麻子ちゃんは私が留学中に大変お世話になった方です。東京での公演が好評でうれしく思います。

娘も昭和音大で有村先生にお世話になっています。

これからも娘を見かけたら,よろしくお願いします。

これからも楽しみにブログを拝見します。

こちらこそご無沙汰しています。この日も娘さんにお会いしましたし、昨日(7/2)の浜離宮でも終演後ちょっとお話しすることができました。元気でやっているようですね。
この夏は阿蘇でお会いできるかも、と思っていましたが、少々難しい状況になってしまいました。またお会いできる機会を楽しみにしております。

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