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2009.05.16

在りし日のパリ…紀尾井シンフォニエッタ定期

KST, 090515紀尾井シンフォニエッタ東京 第69回定期演奏会(紀尾井ホール)

ハイドン/交響曲第85番「王妃」
オネゲル/交響詩「夏の牧歌」
デュパルク/夜想詩曲(poeme nocturne)「星たちへ」
プーランク/シンフォニエッタ
 指揮:ジャン=ピエール・ヴァレーズ

久々に聴く紀尾井シンフォニエッタ(KST)。
なんという素敵なプログラムだろうか。
ハイドンの「王妃」とは、ご存じの方はご存じの通り、マリー・アントワネットのこと。
みごとな「パリ由来」のプログラミングだ。

客演指揮のジャン=ピエール・ヴァレーズは、パリ管の元コンマスであり、パリ室内管弦楽団の創立者でもある。
絵に描いたように典型的な、昔ながらの「フランスの音楽家」の雰囲気を漂わせている。
見るからに「親方」、という感じで、精力的に棒を振っていたけれど、きっちり弾かせようとかタテを揃えようとかそういう意思は、あんまりないように見える。
KSTといえば、めちゃめちゃに巧い室内オケ、というイメージがあるけれど、おかげで今日のKSTからは、普段あまり感じないような闊達さと自在な雰囲気を、たくさん味わった。
フランス音楽はやはり、こうでなくちゃ。
音色まで少し昔のフランスのオーケストラふうに衣替えしていた。とくにホルンとバスーンの両トップ(日フィルの丸山氏と、都響堂阪氏)。指揮者の指示なのか、それとも自然にそうなっていたのかは判らないけれど、どちらもいつになく金属質の音色成分多めで、「夏の牧歌」のファゴットソロなんか一瞬バソンかと思いましたよ。よく見れば楽器は間違いなくファゴットなんだけど。

ハイドンの「王妃」は、まるでモーツァルトのシンフォニーのように聞こえる。
ハイドンとモーツァルトって、様々な面でお互いにお互いを真似たり影響を受けたり、というところがあるようだ。
「今」の目から見れば、結果的にどちらも「古典派」の大枠の中にいるけれど、リアルタイムでその内部の関連付けを解きほぐしていくことは、とても興味深いことに思える。
「夏の牧歌」。夏のはじめの、乾いた虚ろな風、のイメージ。
管ソロが前述のとおり素晴らしかったけれど、前奏の弦の完璧で純正なアンサンブルも、さすがKST。
アンリ・デュパルクの珠玉の小品にして数少ないオーケストラ作品のひとつ、「星たちへ」の実演が聴けたことは、今日一番の収穫だった。
これが聴きたくてチケットを買ったようなものだ。
まるでシベリウスみたいな、冷たく生々しいオーケストレーションが実感できた。
最後はプーランクのシンフォニエッタ。
室内オケのメイン・レパートリーとして、意外と聴く機会は多いけれど、今日の演奏は、どんどん先へ進むテンポ感といい、不協和音やフラッターを思いきり強調した解釈といい、まさにフランス人同士の騒々しいお喋りが眼前するものがあった。
今となっては(CDでも実演でも)なかなか聴けないタイプの演奏で、貴重な機会だった。

コンマスは、いつもの澤さんが降り番のため、玉井菜採さん。
なかなか大変だったんじゃないかと想像する。お疲れさまでした。

アンコールに、シベリウス「悲しきワルツ」。

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