東京文化のラヴェル
東京都交響楽団 第676回定期演奏会(東京文化会館)
ラヴェル/古風なメヌエット
ラロ/スペイン交響曲(Vn:ユージン・ウゴルスキ)
ラヴェル/ボレロ
同 /スペイン狂詩曲
同 /ラ・ヴァルス
指揮:キンボー・イシイ=エトウ
遅れて行ったので後半のラヴェルしか聴けなかった。
前にもそんなことがあったな。一昨年、サントリーホールが工事休館していた時のN響東京文化シリーズの時だ。
あのときも遅刻して休憩後から聴いたら後半はオール・ラヴェルだった。既視感。
客席は既に9割方は埋まっている感じの大入り。(キャパの大きい)東京文化でこれはすごいな。
この会場らしい、余分な残響のない即物的で明快なサウンドが際立っている。
第2部開始後いきなり「ボレロ」(即ち、メインプロでない)、というのは、初めてだ。
コンサートの最後に演奏する「ボレロ」のような野放図な盛り上がりを周到に回避したかのような、禁欲的、といっていい音楽の運びだった。クリュイタンスの録音を思わせるゆっくりとしたテンポで始まり、音量もスピードも抑え加減で、所々のはっきりしたクレッシェンドが逆に印象に残る。
興味深い「ボレロ」だった。でも、このストイックな雰囲気のほうが本来のこの曲には近いんじゃないか。
イケイケドンドンで盛り上がって客に大拍手を強要するような「ボレロ」というのは、作曲者ラヴェルの考えに照らして嘘だと思う。
後の曲も同様に、明快でかつ控えめな、好ましいスタイルで一貫する。
そもそも、フランス音楽の神様故ジャン・フルネに鍛えられたこのオーケストラにこういう曲目を持ってくる時点で、自信の程は伺い知れるというか。
まあ、フルネ師と比べてしまうのは野暮というもんだが。
指揮者キンボー・イシイ=エトウ氏は1967年生まれ、少年時代を日本で過ごし、12歳からウィーン、そしてアメリカでバランス良く研鑽を積んだ方のようだ。見た目は完全に日本人。
タワレコとかに行くと、よくこういう感じのオッサンがCDを漁ってる(笑)
覚書きとして、「ボレロ」のスターティングメンバー(敬称略)。
Fl柳原、Cl佐藤、Bn堂阪、EsClエキストラの女性、オーボエ・ダモーレもエキストラ(Obトップは本間)、Tp岡崎、TSax田村、SSax林田祐(Two leaves of cloverですな)、Hn西條、Trb小田桐(ちょっとだけ惜しかった)、コンマス山本。
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ピッコロトランペットはどなたでしたか?
投稿: frosch | 2009.03.20 01:06
ピッコロTpはオサム君でした。
投稿: Thunder | 2009.03.20 01:50
あと忘れてた。SD西川。
投稿: Thunder | 2009.03.20 01:59