若い人たちの室内楽
JTが育てるアンサンブルシリーズVol.42「色彩感溢れる室内楽」プロデューサー:山本正治(JTアートホール)
J.M.ダマーズ/アーリー・モーニング変奏曲
J.フランセ/クラリネット五重奏曲
ドビュッシー/フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ
ラヴェル/序奏とアレグロ
Fl:上野由恵、Hp:篠崎和子、Cl:川上一道、Vn:松浦奈々、直江智沙子、Va:鈴木康浩、Vc:堀内詩織
会社のつまんない用事のため後半しか聴けなかった。
せっかく職場から歩いて行ける場所なのに。
でも、たとえ半分でも聴けて良かったと思えるコンサートだった。
JTアートホールのプロデューサーのひとりである山本正治さん(芸大准教授、元新日本フィル首席クラリネット)のプロデュースによる、若手演奏家による室内楽演奏会。
若手と言っても、皆、○○コンクール1位、とか、錚々たるプロフィールの方々ばかり(ヴィオラの鈴木氏は読響の首席だし)。
私の大好きな曲ばかりを、眩しいばかりに瑞々しく、繊細で新鮮な演奏で楽しんだ。
とくにハープの篠崎さんの演奏がカッコ良かった! お嬢さん芸みたいになりがちなハープという楽器だけど、この人の演奏はまるで最高度に洗練されたスポーツか格闘技みたいな集中と解放があって、マジ惚れした。
皆さん、演奏が終わった後のお顔が素敵ですね。
演奏を始める前と全然違う。
まあ、そんなふうに正直に気分が顔に出ちゃうところが、若い、ということなのか。
よーし、オレも明日から頑張るぞ、とそんな前向きな気分で会場を後にすることができる、良いコンサートだった。
外は冷たい雨だったけれど。
プロデューサーの山本先生といえば、思い出すことがある。
15年以上前の話だけど、私はこの人にサクソフォン四重奏のレッスンを受けたことがあった。
当時東京で組んでいたカルテットで、いろいろと面白い方向に偶然が重なって、茨城県日立市でのアマチュア室内楽フェスティバルに招待をいただいて行って演奏することになったのだが、このフェスティバルの管楽器の講師が山本先生だったのだ。
そんなわけで、新日本フィルの首席クラリネット奏者の方に、ヘンデルの「シバの女王の入場」とボザのアンダンテとスケルツォのレッスンを受けることになったという。
「こんなこと言ったらサックスの先生に怒られるかも」と仰りながら、遠慮会釈のない、ひたすら「音楽」のレッスンだった(「楽器の」ではなく)。
このことがどんなに貴重で得難い経験だったかは、今となってしみじみと判る。
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