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2008.11.30

有村さんリサイタル

土曜日。
アンサンブルの練習。
12月20日のサクソフォーンフェスティバル(日本サクソフォーン協会主催)に向けての練習だったのだが、いろいろあってあんまりまともな練習にならなかった。
済んだことはしょうがないので、終わったあとの夜の話。

Sumichika Arimura, 081129有村純親(Sax)&松浦真沙(Pf) デュオ・リサイタルVol.3(サントリーホール・ブルーローズ)

シベリウス/ロンド
ムチンスキー/ソナタ
松浦真沙/水鏡~笙、サクソフォーン、ピアノのために(笙:中村華子)(初演)
ファリャ(松浦真沙編)/恋は魔術師より
フランク/ソナタ

ブルーローズ(小ホール)に入るのは改装後初めてだったが、ステージが随分広くなったような印象を受けた。
可動式のステージなので、前見たときが小さい設定だったのかもしれないが。
高級ホテルの宴会場みたいな中の雰囲気は基本的に変わっていない。

有村さんは、昨年の東フィルとのコンチェルトをはじめ、演奏自体は勿論何度か拝聴したことはあるが、こうして一晩のリサイタルをちゃんと聴くのは初めて。
なんという潔い演奏家だろうか、というのが第一印象。
唐突な例えだけれど、平均台の上を走り抜ける時のことを考えてみる。ヘンに足元を気にしているとかえって足がもつれてしまうので、視線をなるべく遠くの目標に定めて、あとは身体がぶれないように一散に走らないといけないでしょ?そんな演奏だった。
サクソフォンカルテット(Quatuor B)でテナーを吹いている方ということで、順応性の高い器用な音楽性というものを聴く前はイメージしていたのだが、実は意外と不器用な人なのかもしれないとも思った。
でも、その潔さと誠実さ、聴き終えたあとに残る何かが濾過されたようなストレートな充足感は、何物にも代えがたい。

当日配布のプログラムに曲目解説が一切なく、すべて曲間のMCでつないでゆく構成。
おかげで、ピアニスト=作曲者による初演作品も、何の先入観も予備知識もなくまっさらの状態で聴くことになる。これはこれで面白かった。
21世紀の「水の戯れ」、だ。
偶然にも、サントリーホールに来る前、iPodでアンヌ・ケフェレックの弾くラヴェルのピアノ曲を聴いていたのだが、「水の戯れ」の世界のずっと先の続き、だと思った。
笙とサクソフォンというと武満の「ディスタンス」を連想させるけれど(原曲はオーボエだけど)、武満ではこの2つの楽器は(題名どおり)距離を置いているのに、こちらではもっと寄り添っている。
サクソフォンの重音と笙の密集和音を重ね合わせるという発想は画期的だ。サクソフォンの重音がこんなふうに音楽的になり得るのかと、目を開かせられた思いだ。

最後のフランクは、1・2楽章をテナーで、3・4楽章をアルトで吹くという、今までに聴いたことのない流儀。
尋常でない集中力を感じる演奏だった。
つくづく、すごい曲だ。
テナーで吹いた第1楽章がとても説得力があって、もしかしたら全部テナーで吹きたかったのかなあとも思ったが。
何で吹いたとしてもアレンジ物なのだから、途中で持ち替えようが何だろうが、自分にとって最も実感のある楽器で吹くのがいいのだろう。

フランクを吹き終えた後、一度引っ込んだだけですぐアンコール(「リベルタンゴ」と「想いの届く日」)となったけれど、私としてはできればもう少しフランクの余韻を味わいたかった。

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