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2008.10.02

林田和之リサイタル

The Sax最新号を買いました。
ワタシゃ実はサクソフォンそのものにはあんまり興味はないので(嘘つけ)、この雑誌もたまにしか買わないんだけれど、今号はしまっぷー先生が見開きで特集されているもので、買わないとお仕置きです(嘘です)。
また、向こうはもしかしたらもう覚えていないかもしれないけれど、大山日出男先生には足を向けて寝られないくらいお世話になったものだ。25年くらい前、下積み時代の話。
しかしこういう号に限ってアンサンブルの付録楽譜とかが無いなあ。

Kazuyuki Hayashida, 20089月の最後の夜は、銀座の王子ホールへ。

林田和之 サクソフォーンリサイタル2008(王子ホール)

J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第1番
G.フォーレ/3つの教会音楽~アヴェ・マリアOp.67-2、マリア、マーテル・グラティエOp.47-2、サルヴェ・レジナOp.67-1
H.トマジ/サクソフォン協奏曲
R.ロジャース/レッスンズ・オブ・ザ・スカイ
B.ドビンズ/ソナタ
R.ペック/ドラスティック・メジャーズ*
 林田和之(Sax)、北方寛丈(Pf)
 *佐藤渉(A.Sax)、松岡一樹(T.Sax)、西尾貴浩(B.Sax)

トマジを聴き終えて休憩に入って、客席に勢揃いしたなじみの知人たちとロビーで「やー、やっぱり男の人のピアノって違うねえ」などと言い合う。
ピアノばかりではない。今日は正直言って、トマジのコンチェルトという曲を「初めて」聴いた、という気分。あんなに「白熱」した音がする曲なんだね、と。
昔親しくしていた、芸大冨岡クラス出身の同世代の友人が、トマジを演るには人並み外れた体力が必要だ、と事あるごとに力説していたことを、久しぶりに思い出した。その時は、ふうん、と思いながら聞いていただけだったけど、そうか、そういうことだったのか。

林田さんのリサイタルというと、かつしかシンフォニーヒルズで聴いたデビューリサイタルは、いったい何年前のことだったろう(ピアノは今は亡き猪俣先生だったっけ)。
言い澱みや制約を感じさせない、ストレートで自在なスタイルはその当時のままに、格段の多様さを備えて深化した音楽を今回は聴いたと思った。
デビューCDのタイトルとなったロジャースの曲は、聴いていてまるで、自分が(聴いている私が)作曲して演奏しているかのようなリアルな高揚感を感じたし、ジャズの語法を全面的に用いたドビンズ(テナー)では、本職のジャズプレイヤーかと見紛うような見事なサブトーン奏法を披露していた。
何より素晴らしいのは、それらさまざまな音楽、さまざまなスタイル、それらに対応する自らの技量や感性の幅を、すべて架橋・統合して前に進もうとする意思、とでも言ったらいいのか。
あれも出来ますこれも出来ますと、自分の技術やスキルを単に並べてみせるプレイヤーとの違いは、果てしなく大きい。

プログラム最後は、自ら主宰するフェローSaxQのメンバーによる、四重奏。
アメリカでは様々なカルテットが競うように採り上げて、もはや完全にこの世界のスタンダードとなっている曲だけれど、日本でまともに演奏されるのは初めてに近いのではないか。
とはいえ、改めてちゃんと聴いてみるとこの曲、日本でもアメリカと同じような人気は得られるか、というと、ちょっと微妙なところもある。面白い曲なんだけどね。

ワタシ的に最大のサプライズは、アンコール最後、フォーレの「ジャン・ラシーヌの讃歌(雅歌)」だった。
四部合唱をそのままSaxカルテットに割り振って、端正で禁欲的な美しいピアノ伴奏の上で、玄妙に歌われる。
ちょっと前にもフォーレの合唱曲のコンサートで聴いたことがあった。ちょうど30年前、フランス音楽を意識して聴き始めたばかりの頃からの愛聴曲だったりする。
まさかまさか、ここで聴けるとは思わなかったな。

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コメント

チケットを譲っていただきありがとうございました。
最後のフォーレが強く心に残りました。
聴いてる最中ニヤニヤしてしまい
誰かが見ていたら変な人と思ったに違いありません。

よい演奏会が聴けて良かったですね。

いえ、コンサートの最中に、聴いている人がニコニコ笑っているのって、いいもんだと思いますよ。
演奏者にとっても、他のお客さんにとっても。

トマジの伴奏は北方氏の手になる特別バージョンだったそうです。
道理で普通の演奏と全然違って聞こえた訳だ。

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