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2008.06.21

原さんのリサイタル

Hiroshi Hara, 080620原博巳 サクソフォンリサイタル(浜離宮朝日ホール)

鈴木純明/スフルスティック(委嘱作品・初演)、スラップスティック-スラップタンギングによるエチュード
金子仁美/気泡-A.SaxとPfのための
西田直嗣/秋のアノフェレス-A.Saxのための
ケクラン/練習曲集より 3、7、8、9、10、13
モーリス/プロヴァンスの風景
デュクリュック/ソナタ嬰ハ調
 Pf:野原みどり

今年前半の東京のサクソフォン界で、間違いなく最大の話題となっていたであろうコンサート。
素晴らしい演奏会だった。
場内も大盛況。

怖いくらいに完璧な準備と、たった一度の本番へ向けての、同じくらいに完璧な集中と熱狂。
「国籍」だの「表現」だの「個性」だの…といったさまざまな要素によっても、絶対にぶれることのない、完成された演奏と、隅々まで明確に意識化された奏法と、揺るぎない音楽への専心。
委嘱作品を冒頭に置き、1944年の作曲ながら19世紀のフランス音楽の残り香の漂う最後のデュクリュックのソナタに向けて時代をどんどん溯っていく(アンコールは更に溯ってただ1曲、ピエルネのカンツォネッタ)、原さん本人の言によれば「知新温故」というコンセプトによるプログラムの妙。

原さんという方は、特に長期間の留学というものを体験していない、いわば「純国産」のプレイヤーだけれども、その内実はどんな音楽にも己を同化できる、真のコスモポリタンというにふさわしい。
今回は日本とフランスの音楽だったけれども、原さんだったらおそらくロシアだろうが、例えばノルウェーだろうが、或いは月にだって同化できるだろう。
「個性」とか「個性的表現」というものは、大事なものかもしれないけれど、どうかすると自分のちっぽけな物差しで偉大な音楽作品を限定してしまうことにもなりかねないんだな…と、思わされた。
それは決して原さんに個性がないということではなくて、個性のレベルというか、次元というか、ステージが違うのだ。

ピアノを野原みどりさんが弾いたってのも、よく考えたらとんでもなく凄いことだ。
ロン=ティボー1位の国際的ソリストのピアニストが「プロヴァンスの風景」の伴奏を弾くなんて、普通だったら考えられないでしょ。

最初に演奏された「ゲンダイオンガク」3曲に関しては、面白いと言っちゃ面白かったけれど、そろそろ「面白い」だけじゃない音楽ってのも聴きたいなあ、と思っている。
あの、「シューッ」とか「パタパタパタパタ」ってのが始まると、「ああ、またかよ」と思ってガッカリしてしまうというのは、私だけなんでしょうか?

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サクソフォンの演奏会(2008年)」カテゴリの記事

コメント

おつかれさまでした。書かれたエントリーには全くその通りと感じました。奇しくも1部は、すべてピアニッシモで始まってパタパタが入ってくる曲ばかりで、もう少し違ったベクトルの現代作品が含まれていれば聴き手としてはもっと興味深かったかもしれませんね。

昨日は、帰り際、お姿をお見かけしましたが、久しぶりの友人とお喋りしていて、ご挨拶しそびれまして、失礼致しましたm(__)m。

私は、専門的な事はあまり良くわかりませんが、原さんの演奏を何曲もじっくり聴いたのは初めてです♪(^O^)v。

勿論、CDも2枚購入しましたよ~v(^^)v。

来月末、引越しがあるので、落ち着くまでは、コンサート通いを自粛してますが、今日の日暮里でのテナーリサイタルと7月13日のドルチェでのトリオコンサートは聴きに行きま~すo(^o^)o。

では、またどこかの演奏会でお会いしましょう~♪。

いや、実に素晴らしかったです。

個人的には、金子仁美さんの作品は、第1部の作品のなか、最も際立った美しさを持つものだと感じました(余談ですが、協和音がでる重音の指使いなんてあるんだ、と初めて知りました)。

ですが、あまりの高難易度に再演機会がないのも頷ける話で…こういった場所で聴くことができたのは、嬉しかったです。

モーリスのような、誰もが知っている作品をプログラミングして、さらに(まっとうな方向に)個性を発揮できる演奏家って、実に稀だなあと思いました。

演奏は実に文句なしに素晴らしかったですね。
もう少し疵でもあってくれたほうが、むしろ何か感想文を書くとっかかりになったりするんですが、そういうものが全くないので、意外と文章書き上げるのに時間がかかってしまいました。

金子さんの曲は才能を感じましたね。
まるでオーケストラみたいな発想でした(そっくりそのままオーケストラ版も作れるなあ、と思いながら聴いてました)。
ただ、自分の発想や才能を見せつけることのほうに一生懸命になっちゃっている感じもあり、私としてはあんまり好きになれませんでした。

>にゃんこ様
お疲れさまです。
7月13日は行けないのですよ。今日も行けませんでした。
専門的なことは私にもよくわかりません(笑)。何かを判断するための基準のストックは一般的なお客さんより若干は多いかもしれませんが、所詮はそれだけのことです。
あまり身構えずに、感じるように感じていただければよいのではないかと思います。
またどこかでお会いしましょう。

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