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2008.06.29

トリプルヘッダー

土曜日。
午前は、久々のK高校の部活へ。
初対面のサックスの1年生3人を相手に、基礎レッスン。
呼吸法、アンブシュア、ロングトーン、タンギング、そして音階練習のさわりまでで、約2時間。
こういうことを集中して教わるのは初めてだったようで、面食らっていた感じもあったけれど、始める前より明らかに良い音が出てきたと思うので、このままキープできるといいんだが、こちらもそう頻繁に来れる訳ではないからなあ。

こうやって改まって人に何か教えるとなると、私自身がかつて自分の師匠に教わった流儀を無意識に真似ていることに気付く。
教える内容ばかりではなく、喋り方や、レッスン中の態度までも。
誰かの師匠であるということが、その誰かにこんなふうに影響を及ぼすことを考えると、とても不思議でもあり、怖くもあり。

午後は初台へ移動。
新国立劇場初体験。
ただし中劇場だけど。

Pelleas et Melisandeドビュッシー/ペレアスとメリザンド(全5幕、コンサート・オペラ形式)

指揮:若杉弘
ペレアス:近藤政伸
メリザンド:浜田理恵
ゴロー:星野淳
アルケル:大塚博章
イニョルド:國光ともこ
羊飼い/医師:有川文雄
ジュヌヴィエーヴ:寺谷千枝子
新国立劇場合唱団
東京フィルハーモニー交響楽団

隣のオペラシティには、杮落としシリーズの公演に始まって過去10年、数えきれないほど通っているというのに、こちらにはなぜか入る機会がなかった。
でも、「ペレアス」を演るというなら是非、聴きたかった。
誰も何も言っていないけれど、今年(2008年)はこのオペラの日本初演以来、ちょうど50年なのだ。
その50年前の公演で合唱指揮を務めた、当時芸大生だった若杉弘が、今回全体の指揮を執る。
これは相当な意気込みに違いない。

残念ながら予算やさまざまな制約により、オペラとしての公演ではなく、演奏会形式(衣装・演出なし)だったけれど、逆に「本格的なオペラ劇場の装置を用いた、本格的な演奏会形式」だと思えば、むしろ私のように、オペラが観たいというよりドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」という音楽が聴きたい側としては都合がよかったかも。
なにしろ14型の大編成のオケがすっぽり入るピットに、廻り舞台を備えたステージなんて、他のホールでは有り得ないのだから。チケットも割安だし。
全3時間(第3幕の後に30分休憩あり)、「牧神の午後」や「海」を彷彿とさせる響きが最初から最後まで横溢する、この手の音楽が好きな人間にはコタエられない世界。オーケストラは最初少々ぎこちなかったが、だんだんこなれてきた。
歌い手は浜田さんさすが、でした。ゴローもなかなか。アルケルは歌は良かったが見てくれが若すぎて(いくら演奏会形式とはいえ)少々不自然な感も。

終演後は、こんどは横浜へ移動。
湘南新宿ライン快速に乗ったら、新宿から横浜まで30分かからないことが判り、びっくり。
「アンサンブル・ソノラ」の練習。
急に、とあるオーディションに向けてのビデオ撮影という話が持ち上がり(昨日の仕事中からいきなりメールが飛び交って決まった)、メンバーの持ち込んだDVDビデオカメラを立てて、何テイクか撮影。
まあ、お手軽なもんですが、どうせダメモトだから、いいか。
赤色灯の点ったカメラの前で演奏するというのは、それでもプチ本番モード。(^o^)
なんだかんだでスタジオの退出時刻の10時ぎりぎりまでかかった。
長い一日であった。

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