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2008.05.20

Resident Conductor

TMSO, 080519東京都交響楽団 第663回定期演奏会-小泉和裕 レジデント・コンダクター就任披露公演(東京文化会館)

リスト/ピアノ協奏曲第1番(Pf:アリス=紗良・オット
ブルックナー/交響曲第3番「ワーグナー」
指揮:小泉和裕

インバルの「プリンシパル・コンダクター」就任と同時に、今まで都響の首席客演指揮者(Principal Guest Conductor)だった小泉さんが「レジデント・コンダクター」に昇格となった。
「レジデント・コンダクター」というのがどういう意味なのか、よく分からない。(日本語では「専任指揮者」とか「正指揮者」というニュアンスだけど、このカタカナ名称が正式職名らしい)
「Guest」という意味合いが強かったこれまでよりも、「オーケストラの顔」としての役割をより果たしていくことになるのかな、と、勝手に考えている。

演奏は良かったと思う。とても明るくてよく鳴っていて、陰影というもののあまりない、テキパキパキッとしたブルックナーだった。ゴシック体のブルックナー(筆記体とかではなく)、というか。
ブルックナーの演奏としてこういうのはどうなんだろうとは思うけれど、ブルックナーは私の守備範囲外なので、あまり余計なことは言わないことにする。(「3番」は若杉さんが音楽監督の時代に聴いて以来だから、15年ぶりくらいか。勿論CDも持っていない)
ちなみに版は「ノヴァーク版第3稿」だそうだ(と書きつつ何のことだかよく判っていない)。

客入りはなかなかよく、5階の天井桟敷までよく入っていた。終演後の反応も良くて、ブラヴォーの声がたくさん飛び交う。
小泉さんはかつて、若杉・ベルティーニ両音楽監督の「つなぎ」として3年間(1995-98年)、都響の「首席指揮者」を務めていたことがあって、そのときの就任記念演奏会でもやはりブルックナーの4番を演奏していたけれど、覚えているそのときの客席の雰囲気は妙にシラけていて、とてもこんなじゃなかった。演奏もほとんど印象に残っていないし。
都響、小泉さん、時を経ての双方の充実というのは確実にあると思う。

「テキパキパキッ」といえばリストを弾いたピアニストもそうで、まるでお人形みたいなかわいらしいお嬢さんなんだけど(1988年生まれ、日独ハーフとのこと)、これがまあ、でかい音で思い切りよく弾くこと弾くこと。
小泉さんの芸風とも実によく合っていて、爽快な聴後感だった。

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