27歳の貫祿
東京都交響楽団 第662回定期演奏会(サントリーホール)
スメタナ/歌劇「売られた花嫁」序曲
ショスタコーヴィチ/チェロ協奏曲第1番(Vc:ガブリエル・リプキン)
プロコフィエフ/バレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
指揮:ヤクブ・フルシャ
今季の都響は先月の「千人」が開幕早々凄すぎて、まだシーズンが始まったばかりだという感じがあんまりしない(^^;
今月は、1981年チェコ生まれという若い指揮者の都響初登場。
なかなかいい演奏だった。この指揮者、若いのに既にちゃんと自分の「音」を持っていて、それを初手合わせのオーケストラからきちんと引き出すことができるようだ。軽やかでよく整った推進力のある弦と、独特の存在感のある木管群の音色が興味深い。最初の「売られた花嫁」など、コシュラーの指揮したチェコフィルの音色を思い出させる。
ステージマナーも全くもって堂々たるもので、知らずに見ていたらとても学校を出て4年にもならない若手には見えない。コンチェルトが終わった後、ソリストのアンコール(3曲もあった)は木管列の空いた席にどっかと腰を下ろして聴いていて、合間に隣席のフルート奏者やホルン首席奏者に気さくに話しかけたりしている。
ソリストのガブリエル・リプキンは物凄く巧いと思った。ピアニシモのコントロールが見事だ(あんなに小さな音でチューニングをする弦楽奏者は初めて見た)。ただ曲がいまいち自分には馴染みがないというか相性が悪いようで、感想は保留。ほかの曲で聴いてみたいな。
休憩後の「ロメオ」抜粋は、前奏曲-モンタギュー&キャピュレット-少女ジュリエット-仮面-バルコニー-タイボルトの死-別れの前のロメオとジュリエット-ジュリエットの墓の前のロメオ、という、ほぼストーリーに沿ったスタンダードな選曲。
力でぐいぐいと持っていく演奏ではないけれど、オーケストラの特質を巧みに掴んでの持っていき方で、これはこれでよろし。
テナーサクソフォンに宗貞センセの姿が見えた。
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コメント
芸大の院卒でちょうど27歳なんですよね。世界にはいろいろと才能がいたもので、昨日は驚かされっぱなしでした。あれはバルコニーだったか、弦の弱音で演奏が終わるとその音色に満足したか、最後に小さく投げキスしていました。いや、実にチャーミング。彼の指揮で古典派やロマン派も聞いてみたい気がしました。
投稿 | 2008.05.15 09:57
西川さんのスネアが天才的でした。
投稿 よねやま | 2008.05.15 22:01
若い新しい才能を見出すのは常に心躍る経験ではあります。
せいぜい3日間くらいのリハーサルをご一緒しただけのオーケストラに対して、あそこまで自然に、溶けこんだ振舞いができるというのは、音楽家としてという以前に人間として特別な才覚だと思いますね。
将来が楽しみです。
投稿 Thunder | 2008.05.16 00:08